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2年連続で肥料値上げ 原油高騰など響く 上昇幅は圧縮
−JA全農 (6/28)

 JA全農は、平成17肥料年度(7〜18年6月)の肥料価格を値上げすると6月28日発表した。原油とナフサの価格高騰、海外原料の大幅上昇などによる。値上がり率の最高は単肥の硫安で9.39%、最低でも普通化成の2.19%で、全品目が上昇。2年続きの値上がりとなった。
 全体として、ほぼ前年並みの値上がり幅だが、これは対県渡しの価格であり、農家渡しの変動率は、それぞれ違ってくる。
 全農と肥料メーカー各社の価格交渉は3月下旬から始まり、メーカー側は、原油高による窒素質原料やリン鉱石、カリなどの値上がりに加え、重油、包装資材費、内航船運賃など諸経費が上がる一方で、肥料の需要減少から、固定費負担が上昇しているとして、大幅な値上げを要求した。
 これに対し全農側は、一段と厳しい農業環境を背景に、生産資材コストの削減が農家の切実な課題となっており、値上げ要因を安易に認めることはできないと主張。一層の合理化努力で吸収するよう強く求め、交渉は難航を重ねた。
 しかし窒素、リン酸、カリなど主原料の上昇をはじめ、諸経費が上がっている中では、製品の値上げも避けられないとして、値上げ幅圧縮の交渉となった。
 系統外との競争が激しい高度化成は、メーカー側が5.8〜7.8%アップを求めたが、これを3.65%に圧縮した。また硫安は、粒度別の需給実態に合わせた価格を設定することにより細粒品・粉粒品の値上げ幅を抑制した。
 全農が開発輸入している高度化成「アラジン」も上がったが、国産の同じ肥料に比べると25%安を維持した。今後これの推進をいっそう拡大する。
 2年連続の値上がりは、経済事業改革に影を落とすが、全農としては、大口需要者への直行輸送などを含めた物流コストの削減を進め、また施肥設計の見直しなどもはかる。
 なお為替レートは1ドル107円を見込んだ。
主要品目価格決定内容
(2005.6.30)


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