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担い手基準など政策提案で特別決議 −全中臨時総会 (8/10)


 JA全中の臨時総会が8月10日に開かれ新役員や16年度業務報告、理事定数の増員などの定款変更などが承認された。
 二期目となる宮田勇会長のもと新体制が発足した。理事増員の定款変更が農水大臣の許可を受けた後、藤木眞也JA全青協会長と大蔵浜恵JA全国女性協会長も就任する。宮田会長は理事増員の理由について「青年、女性の意見反映が大事」と語った。全中の女性理事就任は初めてとなる。総会では提出議案はすべて原案どおり承認されたが、代議員からは、今後の焦点となる担い手対策について「今までのように大会を開いて訴えるだけではわれわれの主張は通らないのではないか。郵政民営化に強力に反対したような議員を農政でも応援するような対策を検討すべきだ」との指摘や、政府の規制改革・民営開放推進会議が答申するとされる共済・信用事業の分離論や株式会社の農地取得などをふまえ「株式会社参入論がおどりまくり国も助成するという。これからの農業者たちはどうなるか。庶民を苦しめるような改革だ。国会議員でも反対する人がいるはず。農協は弱い農業者が団結してレジスタンスを起こすもの。理念、哲学が問われる」との意見も出た。
 これらの意見に対して山田専務は「担い手問題は地域で自らが担い手をつくりあげ、つくりあげた担い手が政策対象になるように全力をあげる。実績をもとに政策要求をしていくことが重要だ」と答えたほか、株式会社参入については「今回の法改正で認められたのはあくまで耕作放棄地を対象に借地契約するもの。今後も株式会社の農地取得は絶対にさせない」と強調した。
 宮田会長は「協同組合の基本は忘れず、県連、単協を通じて組合員の気持ちをくみ上げ主張していく」と述べ、総選挙への対応については「山積する課題にわれわれの要求が反映されるよう取り組みを強める」と話した。
 
■WTO、基本計画で決議

 臨時総会では(1)WTO農業交渉、(2)基本計画の具体化、(3)JA改革の断行を柱に特別決議を採択した。
 決議では農業、農村をめぐる情勢はきわめて重大な岐路に立っていると強調し、WTO農業交渉では多様な農業の共存を基本に、輸入国の食料主権が反映され、焦点となっている重要品目が十分に確保できるよう、国民の理解と海外農業団体との一層の連携強化に取組みとした。
 また、基本計画の具体化では、とくに「担い手」基準が多様な地域実態に則して設定されることや、地域の協同活動を支援する資源保全政策などの確立に向けて、具体的な政策提案とその実現に向けて「組織の総力を挙げて」取り組むことを決議。JA改革の断行では第23回全国大会で決めた経済事業改革や、担い手づくり対策、JA経営改善などにすべてのJA、連合会で実践できるよう取り組みの一層の強化を誓った。
 
■農政の岐路‐政策提案と運動強化を強調

 臨時総会終了後、宮田会長は記者会見。この3年間を振り返り、米政策改革や食の安全問題、基本計画の決定など「農業と農協を取り巻く状況が大きく変動した時期だった」と指摘、二期目の就任にあたり「的確に状況を把握してスピードアップして改革に取り組む」と語った。
 とくに高齢化、弱体化している農業の担い手づくりが課題で集落営農の組織化などで経営安定対策の対象にしていくことが課題だとした。また、WTO農業交渉では日本提案が盛り込まれるよう政府と連携して運動を強化するとした。
 ただ、秋に再開されるWTO交渉を前に解散総選挙となったことについて「9月に中間的な案が出されると聞いている。基本計画の具体化もあり、対応が遅れないかこの政治空白を非常に心配している」と話したうえで選挙への対応については「農業、農村に理解と行動を示している人に一人でも多く当選してもらいたい」と述べた。
 また、農水省の審議会でコメの先物取引について検討されていることについては「主食であるコメを投機的に使うことは賛成できない。投機によって価格が乱高下し実際の価格と違うことになっては需給に混乱が起こりえる」と強調した。

(2005.8.12)


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