農業協同組合新聞 JACOM
   
中川 敞行
社団法人 農協協会 会長
各界から新年のご挨拶
生産者の思いと消費者の期待をつなぐ接点の役割果たす

中川 敞行氏

 新年明けまして、おめでとうございます。旧年に賜りました当協会へのご支援、ご協力に対しまして、厚く感謝申し上げる次第でございます。
 私の年頭の挨拶は7回目となりますが、残念ながら引き続き本年も農業、農協を取りまく環境は厳しい模様のようです。
 一般経済は、引き続いて好調に推移して、「いざなぎ」を超える「平成景気」といわれており、大企業はボーナスも弾んでいるのに反し、中小企業の経営は厳しく、また庶民の生活は人件費の合理化、社会福祉費増等で、個人消費は伸び悩んでいるようです。
 最近では、ワーキング・プアーなる用語が出てくるほどに格差拡大の傾向が強まってきています。
 また、地方自治体と地域の農業、農協活動は密接に連携して今日に至っておりますが、夕張市のように財政破綻をきたすと、市民が離散しつつあり、再建は容易なことではないようです。第2、第3の夕張市が出てくる可能性はないとは断言できません。地域間の格差問題も無視できないものと思われます。
 農協活動は、集落営農を基盤にして体制固めを進めて来ていますが、集落にも問題はあると思います。
 各地域の集落は年々若者が都会に出て行くため、高齢者率が高くなってきています。この率が50%を超えると集落の営農機能が果せるかどうかという限界状態になるので「限界集落」とネーミングされる学者がおられます。
 さらに、医療費・税金の増嵩のため、集落の中においても、ワーキングプアー現象が出てきてます。
 集落を如何にすれば、活性化できるのか。具体策を組合員農家と共に立てて実現するしかありません。集落を原点として農協活動を展開して行くことが、農協存在の絶対条件ではないかと思います。
 昨年10月に開催された第24回JA全国大会では、「食と農を結ぶ活力あるJAづくり−農と共生の世紀を実現するために」の各議案を決議し、テーマの実現に踏み切りました。全農協団体が目的を1つにして実現に「猪突猛進」されることを期待しております。
 当協会は新聞発行が主体ですが、農業・農協関連の激しい事業変化の対応につきましては、自ら調査活動をすることが必要となります。このことが定型化されて、調査事業を行うようになり、新聞、ホームページに資料を提供しております。本年は内容をレベルアップしてより効果的な資料を提供し、お役に立ちたいと存じます。
 関連して、ホームぺージ事業もアクセス数は1日1万5000件をこえ、リンクは430件となります。生産者の思いと、消費者の期待をつなぐ接点の機能を果すべく努めております。ささやかですが、当協会は、各地域の協同組合活動に資する情報を常時提供し、協力して参る所存です。そして、農協運動に明るい展望が開けることを祈念申し上げます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

(2007.1.4)


社団法人 農協協会
 
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