農業協同組合新聞 JACOM
   
田中 稔一
日本肥料アンモニア協会 会長
各界から新年のご挨拶
農業動向を的確に把握し化学肥料の役割を訴える

田中 稔一氏

 皆様、新年明けましておめでとうございます。
 平成20年の年頭に当たりまして、ご挨拶申し上げます。
 今年の日本の経済成長率は概ね2%程度が期待されているようですが、いきなり原油100ドル突破の幕開けとなり、屠蘇気分が吹き飛ばされての仕事始めとなりました。
 これも今年もまた波瀾の年となる前触れでしょうか、何れにしましても、今年も先行き予断を許さない大きな変化の年となりそうな予感が致します。
 振り返ってみますと、昨年も内外共に激動の年でした。
 泥沼状態のテロの頻発、資源ナショナリズムによる国家エゴの台頭、アメリカサブプライムローン破綻、原油の暴騰、さらには地球環境問題に対する社会的責務の増大と枚挙に暇が無い程の厳しい環境でした。今年は、これらの問題が一層増幅され、私達を取り巻く環境はより厳しくなるとの覚悟が必要ではないかと思われます。
 国内においても、頻発した地震、政治的大混乱・金融、建設業界の不調、株価の低落、加えて昨年の世相を表す漢字に<偽、いつわり>が選ばれたように、さまざまなモラルの低下が顕在化した暗い一年だった気がします。
 一方、私達肥料業界にとりましても、日本農業の低迷による需要の下方硬直性が続いており、その上に原油の暴騰のみならず世界の資源争奪戦によるあらゆる原材料の大幅コストアップに悩まされ続けた一年でした。
 特に、主原料のナフサ、天然ガス、リン鉱石、カリ等の連続的で大幅なコストアップは、会員各社の懸命の経営努力をあざ笑うかのように大きなダメージとなり、このままではサプライチェーン自体の崩壊も免れないような厳しい状態に陥っております。今年は、こうした過去に経験のない環境悪化の中で、肥料事業の経営としてどう対応するのかが、根本的に問われる勝負の年となりました。
 反面、海外ではバイオ燃料の需要増大に端を発した穀物相場の高騰によって、近年米国を始めとした農業国は活況を呈しており、低迷する日本農業と明暗を分けております。今後、このような世界的穀物相場の高騰が日本の農業、私達肥料業界にどのような影響を与えるのか、今しばらくの見極めが必要ではないかと考えています。
 当然の事ながら、私達肥料業界の命運は日本農業の基盤確立の成否に掛かっておりますが、周知の通り、現在日本農業は、WTO問題、中核農家の育成など農業再生の為の抜本的課題が山積しています。今後は、官民一体となった農業再生の諸施策が確実に実行され、"日本農業のあるべき姿"が早期に実現されます事を強く願っております。
 このような環境が厳しい中、当協会としましては、〈協会事業に関する提言委員会〉の答申に基づいた諸課題を確実に実行して、肥料業界の発展に精一杯寄与したいと考えております。
 本年度の主要な課題と致しましては、
.肥料業界としての行政への要望と対話
.一般社会への働きかけとしての積極的な諸活動
.継続的な農家の実態調査
.社会的責任としての環境対策
の4点であります。
 この中で今年は特に、広報活動の強化策として、協会として初めてのシンポジウム開催を計画しています。テーマとしては、<食の安全、安心>、<日本農業の未来>、<肥料の役割>を予定しています。
 食の安全に関しましては、昨今、食の素材や賞味期限の改竄などで消費者の不安を募らせている事例が多発しており、大変関心が高いテーマだと思います。
 また、食料の安定確保は国家としての安全保障の問題でありこれも大変重要なテーマであります。現在、食料自給率が40%に満たない日本にとって、世界の人口爆発、水不足、砂漠化、異常気象等の目前の現象は、<日本の食料安保>がより一層深刻になり、危機に曝されている事を如実に示しています。
 幸い、日本は豊かな土壌、温暖な気候、十分な水に恵まれており、これらを活かした日本農業の抜本的な基盤強化が急がれております。
 今回のシンポジウムは、こうした日本農業の育成、強化の重要性と共に農業に大きく貢献する安全で高機能の化学肥料の役割について、一層の理解を深めて貰う事を目的としています。
 シンポジウムは2月28日13:30〜 八重洲のマツダホールで行います。
 当日は、それぞれの専門家の方々をパネラーとしてお迎えして、基調講演と共に活発な質疑応答を期待しておりますので、多数ご参加頂ければ幸いです。
 肥料業界にとって、今年も厳しい環境が続くと思いますが、私達協会は会員各社の皆様と共に、新たな農業の動向を的確に把握し、農業における化学肥料の役割の重要性を広く訴えて行きたいと思います。
 今後、私達肥料アンモニア業界は更なる事業統合等の"痛みを伴う競争力の強化"が避けられないとの厳しい認識の基で、原材料の安定確保・あらゆるコストダウン、高機能肥料の開発、新たな用途開発等を加速し、その社会的使命を果たして行きたいと思っています。
 当協会の会員各社並びに関係者の官民一体となった一層のご支援、ご協力を宜しくお願い致します。
 本年が皆様にとって、良い年となります様お祈り致します。

(2008.1.4)


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