農業協同組合新聞 JACOM
   
蒲生 誠一郎
井関農機株式会社 代表取締役社長
各界から新年のご挨拶
顧客第一主義徹底し多様化するニーズに対応

蒲生 誠一郎氏

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 昨年の我が国経済は緩やかな景気回復が続くとしながらも、取巻く環境は、米国の信用力の低い個人向け住宅ローン(サブプライム・ローン)問題に端を発した世界的な金融市場の動揺や原油高騰、為替の変動など、世界経済を巡る不確実性が増し、予断を許さない状況が続いております。
 国内農業につきましては、農業の競争力向上に向け動き始めた品目横断的経営安定対策の影響により、営農環境は大きく変化しております。加えて野菜価格や米価の低迷、原油の高騰などにより非常に厳しい状況が続きました。これらを受けて農機需要は減少を続けてまいりましたが、ここにきて農政の見直しや米価下落に歯止めがかかり、回復とはいえないものの一部底打ち感が見られるようになりました。このような状況において、当社は改めて「需要家に喜ばれる商品の提供」という原点に立ち返り「お客様第一主義」を徹底いたしました。
 当社は、昨年3年連続特許査定率日本一という称号をいただきましたが、この培った技術力のさらなる向上を図るとともに、お客様からのご意見を踏まえた商品開発に努めてまいります。
 また、本年1月1日付で、国内販売会社8社を広域3社に再編し、営業力、サービス力の強化を図っております。性能が優れた商品を製造するだけではなく、品質、価格、サービスを総合的に高めた商品の提供がもっとも重要と考えております。
 このような考えを基に、今後成長市場と位置付けております担い手向け大型・高性能機械やホビー農家向け小型機械の品揃え強化、さらに今後も日本農業においてもっともボリュームを占める中小型機市場に継続して商品を投入してまいります。
 今後の国内農業については、WTOやFTAを通じた諸外国からの農業市場開放圧力など、厳しさを増す状況が続くと予想されますが、食料自給率や国土保全、美味しく、安全・安心な食料の確保を考えた場合、決して活力を失ってはならないと考えております。
 当社はこの厳しい環境に立ち向かう、営農組織から個人農家までの皆様にご満足いただける商品と情報提供を通じ、日本の農業を応援してまいりたいと存じます。
 末筆ではありますが、皆様方のなお一層のご発展を祈念申し上げ、新年のご挨拶と致します。

(2008.1.4)


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