農業協同組合新聞 JACOM
   
上野 博史
農林中央金庫 理事長
各界から新年のご挨拶
信頼され支持される地域密着型金融機関をめざして

上野 博史氏

 新年おめでとうございます。JA組合員、利用者の方々にはJAバンクへのご愛顧に感謝申し上げますとともに、JA役職員の皆様には、日頃からJAバンクの運営に多大なご協力をいただき、誠にありがとうございます。平成20年度の年頭にあたり、一言ご挨拶を申し上げます。
 わが国の農業につきましては、19年産より担い手を対象とした品目横断的政策の導入など新たな農業政策が展開されております。本政策はスタートしたばかりであり、初年度の問題点を踏まえ、地域の農業を将来にわたって支えていくべき担い手の育成や支援が十分なされるよう、JAグループとして必要な見直しなどを要請し、一定の改善がなされているところです。
 JAバンクといたしましても、全国のJA・信連・農林中金に設置した「担い手金融リーダー」を通じて、担い手への金融対応強化に取り組んできたところでございます。さらに自らの社会的使命に応えていくために、農業・農村に対しこれまで以上に踏み込んだ支援・貢献策を展開する目的で設立された「有限責任中間法人JAバンクアグリ・エコサポート基金」を通じて、農業担い手に対する支援などを行ってまいります。
 昨年10月にはゆうちょ銀行が発足し、ますますリテール業務での競争が激しくなっております。新BIS規制(バーゼルII )の適用開始により、リスク量に応じたリスク管理態勢の整備が求められるなど、これまで以上に金融機関の経営改革の実行力が問われていることもあり、利用者からの金融機関に対する選別の目も一段と厳しくなっております。
 これらの情勢を踏まえ、JAバンクでは平成19年度から平成21年度までの「JAバンク中期戦略」により、すべてのJAが共通の経営数値目標を設定し、JAバンクローン残高、JAカード獲得会員数の伸長などに、取り組んでおりますとともに、JAバンク全体でのビジネスモデルの再構築を行っていく礎とも位置づけ、JA・県域・全国域の役割分担をより明確化しつつ、より一体性を強化していくこととしております。
 中期戦略2年目にあたる平成20年度は、環境変化を踏まえながら、掲げた経営数値目標の達成に向けて、諸施策を着実に実践していくべき期間と認識しております。具体的には、施策展開にかかる柱として、JAカードの推進等による家計メイン化の取組強化、将来的な金利上昇に備えたJA段階におけるALMの取組強化、および「JAバンクアグリ・エコサポート基金」を通じた事業をはじめとした地域密着型金融への取組み等を掲げることとしております。私ども農林中金も、全国JAの役職員の方々と一緒になって、目標必達に向けてまい進して行く所存でございます。
 今年もJAの組合員および地域の利用者の方々から信頼され、支持していただける金融機関であるよう、私ども農林中金を含むJAバンクの役職員挙げて全力で取り組んでまいる所存です。引き続きJAバンクに対するご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げまして新年のご挨拶とさせていただきます。

(2008.1.4)


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