農業協同組合新聞 JACOM
   
解説記事
機能に応じた手数料を設定する取引・契約形態を検討
−JA園芸販売事業改革



 JA全中の経済事業改革中央本部は6月7日に提起した販売事業改革の取り組みのなかで、「JAグループの園芸販売事業システム改革」について、市場出荷の手数料は機能別手数料を設定し、機能に応じてJA、全農県本部・経済連、卸の手数料を設定するような取引・契約形態について検討を進めていくことが必要だと提起した。
 平成16年のJAの野菜取扱高は1兆2463億円でここ数年横ばいとなっている。また、JAの直接販売は、直売所やインショップなどの広がりで増加し、1596億円となり、JAの委託販売額の12.8%となっている。手数料などJA野菜事業の収益は316億円で、直接販売の増加などによって近年増加基調にある(図1)。

図1 JA野菜事業の収益状況


 同本部では、すでに県域の販売機能について、▽遠隔産地や園芸主産県などの県域主導型▽大都市近郊の園芸主産県などの直販機能限定型▽園芸非主産県などの県域機能限定型▽JAと県域の機能を一体化する県域一体型の4つのモデルを提起し、県域(全農)とJAの経営資源の効率的な再編によって、機能の重複をなくし、効率的で競争力のある園芸事業再編に取り組むことにしている。
 そして、平成21年から卸売市場手数料の自由化が始まるが、市場の商流などを活用した「広義の直販」については、買い付けの拡大を含めた多様な取引形態となることが想定されている。現在の市場出荷は卸段階までは委託販売が基本で、市場で形成された価格に対して、卸・県域・JAがそれぞれ規定手数料(内マージン)を設定している。
 しかし、手数料の自由化によって多様な取引形態が生じてくるなかでは、生産者・部会などとJAとの間では、JA・県域・卸の手数料の合計(内マージンの合計 現行では11〜12%程度)を基準とした手数料を設定し、そのうえで、機能に応じた手数料をそれぞれに設定するような取引・契約形態(図2)について検討を進めていくことが必要になるとしている。
 そして、こうした「広義な直販」においても、JA・連合会の販売機能強化が必要であり、機能発揮にともなうコストとリスクについても留意していくことが必要だとしている。

図2 場手数料の自由化にともなう機能別手数料設定
(2006.6.27)
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