農業協同組合新聞 JACOM
   

紙面審議会

「農業協同組合新聞」05年度紙面審議会(下)
日本の農業と農協の発展に寄与するために

出席者 審議委員 (五十音順)

◇安高 澄夫
 福岡県・JAおんが組合長
◇阿部 長壽
 宮城県・JAみやぎ登米組合長
◇石田 正人
 長野県・JA北信州みゆき前組合長
◇今村奈良臣
 東京大学名誉教授
◇上山 信一
 農林中央金庫元副理事長
◇太田原高昭
 北海学園大学教授
◇北岡 修身
 高知県・JA高知春野組合長
◇小島 正興
 農林中央金庫監事

◇野澤 万代
 茨城県・生産者
◇日和佐信子
 雪印乳業(株)取締役
◇前田 千尋
 JA共済連前理事長
◇松下  久
 静岡県・JAとぴあ浜松前組合長
◇三嶋 章生
 島根県・JA雲南会長
◇山地  進
 内外食料経済研究会代表

◇座 長
梶井 功
東京農工大学名誉教授


 本紙は創刊以来、一貫して日本の農業と農協運動発展のために寄与することを目的としてきました。爾来、50余年が経ち、日本の農業そして農協を取り巻く環境は大きく変化してきました。とくに、昨今は、「JA改革」が大きなテーマとなり、農協のあり方そのものが問われています。
 そうしたなか、昨年に引き続き、従来からの本紙のあり方を見直し、今後どのような視点をもって編集していくべきかを考えるために、「05年度紙面審議会」を開催し忌憚のないご意見をいただき、前号と今号の2回にわたってその内容を公開し、読者の皆様のご意見・ご感想をいただき、今後の紙面づくりの参考にさせていただきたいと思います。


◆経済事業改革における現場の悩みを伝える

 梶井 農協改革について現場の声をもっと紙面にというご注文をいただいています。その焦点はとくに経済事業改革について現場の声を伝えることだと思います、この点いかがでしょう。

 今村 データをみると職員1人当たりの販売額はこの10年間で半減しています。購買事業はここ数年持ち直してきていますが、これはリストラで職員数が減ったから結果として上がっているわけで、実質は下がっています。そういう事実を見ながら農協をグルーピングしてどこがダメなのか、どうすれば新しい発展がみられるのか、その基本問題と実践方向を議論することです。そのために、私はJA―IT研究会、これは「農協塾」と言うべきものですが、4年前に立ち上げ、すでに14回の公開研究会を行い、農協の経済事業改革への実践的指針を提示し続けております。ここに200農協が自発的・内発的に参加すれば農協は変わると思っています。

 上山 経済事業は基本的に立て直さなければいけないと思います。しかし、経済事業の悪口を言っていれば仕事をしているような感じがあります。信用も共済も含めて、それぞれの立場から経済事業を立て直すにはどうすればいいのかを考えることが必要だと思います。それなくして、経済事業はダメだといっていれば経済事業は潰れるだけです。

 石田 経済事業改革を徹底してやってしまったら、販売事業を中心につくり上げてきた農協はなくなってしまいます。そこで全国の農協は悩んでいると思います。だからこの新聞には、優秀な事例で、こうやってクリアして協同組合運動を進めていくのだという指針を出すことを期待しています。

 梶井 経済事業改革について全国連レベルでどういう議論をしているかはこの新聞で見えるが、本当の問題点は出てきていないのではないかというご指摘ですね。その点、三嶋さんはどうですか。

 三嶋 農業の実態は北海道から沖縄まで違うわけですが、いま農協の組合長が話していることは、教師のようにみんな同じことを言っています。違いがあることを新聞で取材しもっと教えてもらいたいと思いますね。
 こんどの国の政策では、農業政策と地域政策を明確に峻別するといっています。地域政策と分離して農業政策が成り立つのか、地域政策を無視して農業といえるのかなと思いますね。食料生産工場ならそれでいいんでしょうがね。そこらあたりが、いまほとんど論点になっていないので、もっと良い悪いの判断は別にして、取り上げて欲しいと思いますね。

 阿部 経済事業は地域農業そのものであり地域農業の崩壊ないしは衰退の一途をたどっているところに経済事業改革の要因があると思っています。
 農業生産の減退の中で経済事業改革は事業論だけでは限界があると思います。事業利益が減っているからコストを減らすというバランス論では経済事業は縮小し、そして、地域農業から農協が離れることになると思います。
 経済事業改革の前提は地域農業改革であると考えますので、農政の展開方向が経済事業改革を左右するとも言えると思います。
 食料・農業・農村基本計画の担い手選別政策の延長線上に農協批判論の本質が見え隠れしてなりません。日本農業の本質と農業協同組合の存在と役割について本紙の論点整理と究明に期待するものです。

 安高 経済事業改革は、農協にとって必要な改革の本質ではないと思っています。議論されている経済事業改革の現場は、単位農協のようです。本当に農業生産現場が経済事業改革を求めているとは思えません。物流の合理化や流通コストの削減は当たり前のことです。流通業としての基本であって、存在価値を高めるものではありません。
 それぞれの地域の農業がめざす姿を描き、それに対してどのように貢献できるかが問われています。仕組みの問題ではなく、意識の問題だと思います。技術ではなく、意志が必要です。事例を真似るのではなく、自ら考えることが求められています。真似るための情報ではなく、考えて、判断するための情報提供こそが新聞の役割だと思います。

◆販売事業で果たす全農の役割を

 梶井 北岡さんどうですか。

 北岡 販売事業でも米は食管法に胡坐をかいてきたと思います。私のところでは早くから施設園芸に取り組み、日々、高い安いの相場価格で動いてきて農家を育ててきましたが、いまは昔のようにはいきません。大手スーパーなど買い手の強さに対してわれわれはどういう形でやっていくのかを考えなければならない。全農にも、全農の販売機能は何なのか。米は共計で動いているが、米の産地の人だけで議論をしている。もっと別の産地の意見も入れたらどうかといいました。
 野菜でも、全農は一時は分荷権まで持っていましたが、県に戻してしまった。産地間競争が問題にされるけれど全農はできないわけです。各県・各産地が一つの土俵に上がらないと、産地が潰れますよ。それから全農の取扱高からみて開発投資が少ないと思います。自らになければ、どういう企業と手を結ぶかを考え新しいものを開発してはどうかと思います。それで全農として産地をつくり、全農自らが売っていかないといけないともいってきました。手を上げてわれわれと一緒にやってくれる全農になって欲しいですね。

 梶井 そういう問題をこの新聞でどう取り上げていくかですね。

 北岡 そういう刺激になって欲しいですね。

 梶井 生活クラブ生協連と全農が事業提携した「国産鶏種はりま」の取り組みが掲載されていました(1957号)。なかなか面白かったけれど、必要なのはああいう取り組みが全農の販売事業として持つ意味の解明だということですね。

 北岡 産直が広がっていますが、産地は北と南にあるわけですから、産地同士の交流を全農はすべきだと思いますね。直売所についても私のところで夏場にないものを北海道からもらい、冬場は私のところから北海道へとかやればいいと思いますね。

 梶井 JA間提携ですな。

 今村 地産地消それから直売所が多数立ち上がりましたが、私は今や直売所倒産時代になったとみています。とくに農協の直売所は市場からの仕入品比率が高くなってきています。市場仕入が4〜5割というところもあります。つまり地産地消をやっていないわけですし、自殺行為ですよ。そのためにも、JA間連携は必要不可欠です。

 北岡 農協間の提携はあっていいと思いますね。私のところでは直売所に県内農協の加工品はコーナーをつくっています。JA馬路村のものも置いていて、組合員や地域の人に、わざわざ馬路村に行かなくてもここにあるとアピールし買ってもらっています。

◆消費者に信頼される農協改革の発信を

 梶井 前田さんどうですか。

 前田 農協事業の発展の鍵は、農家組合員のニーズや価値観の多様化に柔軟に対応することではないかと思っています。組合員等の苦労や農協に対する要望を実感しているのは営農指導員や渉外担当者ですので、彼らの率直な声を集約して紙面で公表できれば事業運営の改善の一助になると思います。
 もう1つは各企業が市場経済の中で生き残りをかけて競争しており、特に顧客満足度向上のためいろんな施策・サービスを展開している。農協においても協同組合原則を逸脱しない範囲で彼らの手法を参考に創意工夫を行う必要があると思っているので、それらを紹介してもらいたい。要は組合員の営農と生活の安定向上なくして農協事業の発展は望めないわけで、組合員の高齢化が進む中で地域農業を守るため今後の農政の展開に注視していくことが重要だと考えます。

 梶井 日和佐さんはいかかですか。

 日和佐 地方へ出かけたときはその地場の物を手に入れるのがとても楽しみです。ですから道の駅はとても楽しみにして立ち寄るところです。綾町のように地元の生産者の顔が見える食品が充実していると、なんどでも寄ってみたい、行って見たいと思うのですが、地場産はほんの少し、魅力の無い「お土産商品」が並んでいると本当にがっかりします。そしてそのような所がほとんどです。全農では不正な取引、表示の偽装などが相次いで、従来通りの悪しき商習慣が見直されていない体質的な欠陥があることが疑われます。消費者から信頼されるには何が必要なのか。啓発と方向を示す内容を継続的に発信して欲しいです。

 梶井 小島さん、経済事業改革についてはどうですか。

 小島 経済事業については、私も全中の「刷新委」で検討しましたが、この委員会も肝腎のガバナンスの問題に踏み込もうとして、何故か中断され、その後農水省のあり方研、あるいは全農内部の委員会などの提案など、今まで検討や提案が多すぎるほど出されています。
 しかし改革は外から、あるいは第三者が議論してできあがるものではない。全農、経済連、JAの内部からの盛り上がりが重要です。
 もう1つ重要なことは、金融も経済事業も、協同組合の仕事であるとともに、銀行や商社、大型小売業などと対等な条件で市場の中で競争しなければならないことです。事業を確立させるためには、リスクに立ち向かわなければならないし、有能な「経営者」を育てなければならない。現在の農協組織の中にはこのような視野が少し欠けているのではなかろうかと思います。

◆農薬の機能・役割をキチンと評価して安全・安心を

 梶井 野澤さん、生産者からみてどういう感じをもっていますか。

 野澤 私の入っている農協では、職員にいろいろ聞いてもすぐには返ってこないのが現状です。なかにはこういう資料があるとかこういう売り先があるとか提案してくれる人もいるんですが、その人はあちこち回るので、とても忙しいんですね。そういう人を増やして欲しいと思いますね。そういう職員が生き生きと働ける職場であって欲しいと思いますね。
 馬路村へ昨年11月に行きましたが、柚子だけで30億円も販売しているという話を聞いて、地域の特性を徹底的に活かした方法を進める人がいて成功しているんだなと感じました。
 それから大豆交付金がなくなるということで、地域で大豆とか麦とかを一手に引き受けてやっていこうとしている生産者にとっては、大問題になっています。後継者ができても、その後継者が不安になり、何をつくったらいいんだろうと頭を抱えています。いままで積み上げてきたものがなんだったんだろうと思います。

 梶井 ところで、この新聞は、農薬についての評価が一般紙とは異なって、いまの農薬が果たしている役割や機能を正当に評価したうえで、なおかつ取り扱い方については、と常にいっていることが1つの特色だと思っていますが、その点、生産者の目から見てどうですか。

 野澤 いま有機栽培とか無農薬でなければ、これからの日本農業はいけないといわれていますけれど、農薬は必要な化学技術ですし、農薬をどのように使うかで生産力がまったく違ってきます。優れた農薬を安全に使うことが一番大事だと思います。そういう意味でキチンとした知識が私たちに必要ですし、その点についても情報発信して欲しいと思います。それは肥料についても同じですね。

 梶井 環境保全ということで減農薬とか減化学肥料が一面的に強調されやすいですね。

 野澤 安全な使い方と危険な使い方や無駄な使い方があると思いますね。

 三嶋 米の卸から特別栽培米は化学肥料や農薬を少なく使っているから高く買えという理由は何か、どういう根拠があるのか、といわれました。卸の価値とあなた方の価値にずれがあるというわけです。これには困りましたね。

 梶井 安心システム米は特別栽培米ではないわけで、その辺を明確に分けているのかと思いますね。日本生協連の「青果物品質保証システム」と全農安心システムとの関連について他紙ではほとんど取り上げていませんが、この新聞ではその点をきちんと指摘していました(1940号)が、これは評価していいんじゃないですか。

◆制度金融を農協としてどう考えるのか

 梶井 いままで出た意見以外にぜひ取り上げて欲しいという問題はありますか。

 松下 政府系金融機関の問題が論議されています。農林漁業金融公庫のあり方について、農水省が研究会を設置し、検討してきましたが結論が出せませんでした。設立当時は大きな役割を発揮したと思います。そして、一般的に長期低利な資金だから必要だといわれています。しかし、50年が経過したいま、農協金融は資金に余裕ができています。そして低利といいますが、私のところの農協には公庫資金が約20億円あります。年間支払利息が6000万円ほどになり、JA手数料が700万円であります。これをJA資金に借り替えたいと思っても難しいんです。しかも公庫は固定金利なので直せないのかというと国会の承認が必要だが取れないという。農協金融側すれば民間圧迫です。
 しかも公庫は地方銀行と業務提携して、公庫融資の借り換えをしています。なぜ農協にやらせようとしないのか。それから運転資金的なこともやっていますね。そういう不合理な問題があります。公庫がどうなるのかという問題についても現場の声を反映して取り上げてもらいたいと思います。

 梶井 制度金融の問題についてはほとんど取り上げてきていませんね。

 山地 ある森林組合で、「いまの材価じゃ、ヘクタール単位で立木を売っても、さして残らないのに、所有者はどうして売るんですか?」と聞くと、まだ相場がよかったころ、公庫の長期資金を、主だった組合員に、組合が転貸した。
 歳月が経って、その人たちも高齢化し、返済もままならなくなる。息子に話してみる人もいるが、乗ってはこない。それで、皆、ガックリくる。
 組合としても言いにくいが、代わって返済にあてるが、もともと、公庫側に、貸付実績が落ちると、翌年以降に響くという裏事情があった。時代環境の変化とはいえ、リスクには知らん顔の制度資金とは何かと言いたい。

◆郵政民営化、信用・共済分離論にどう対応するか

 石田 郵政民営化の中で、単協が郵便局とどういう対応をし、どうあるべきかについて悩んでいます。毎日郵便を配達しているので、“今度、箱を持ってくるからリンゴを出荷しないか”といわれたら、いまの農協ではかないません。すでに郵便局はアクションを起こしています。貯金があり簡保があり足があって宅配もできる特定郵便局がミッチリと動き出してきたら、それに農協はどう対応するのか。これが一つの問題です。
 それから、農協は店舗は儲からないと閉鎖しましたが、その替わりにコンビニがいたるところにでき、組合員との接点が少なくなり経済事業が下がってきているわけです。
 こうした問題について、研究者の方にしっかり方向性をだしていただきたいですね。

 大田原 それと関連して、いずれ農協の信用・共済事業が槍玉にあがると思っています。今回の選挙で農林関係議員が「郵政の次は農協だ」といっていました。郵政と違い農協は民間ですからビクビクする必要はありませんが、根拠があると思うのは、郵便局と同じで貯金と共済を農協がやっているということです。それから、JA共済の建物更生共済の評判がいいので損保業界からの反発が強いです。ですから、そもそもなぜ農協が信用・共済事業をやっているのか。協同組合の理念に基づいた事業のあり方とか、予防的な論調が必要だと思っています。

 前田 農協法に5分の1の員外利用の規定がありますが、それでも規制をしなければという意見があります。郵政民営化についても、それ自体は良しとしても、貯金・簡保・郵便事業の分離については、郵政公社自身が判断することであって外部から言うべきことではない。ただし、民間と平等に扱って欲しいと主張してきました。
 しかし、農協の経済事業改革といいながら、信用・共済を分離解体させたいという動きがあります。これに負けないわれわれ自身の理論構成とその必要性をきちんと構築し、組合員の理解を得ていく努力をする必要があると思いますね。

 松下 私のところでは、信用事業で増えた員外利用者に各支店長が説明して准組合員になってもらいました。

 梶井 職能組合か地域組合かという農協の組織論として正面から考えなければいけない問題ですね。

 三嶋 員外利用問題は、かつて生協叩きのときにも出てきましたね。

 大田原 コープさっぽろではそれならばみんな組合員にしようということで取り組み、札幌市民の60%が生協組合員になり、生協発展のばねになりましたね。

◆農村文化や生活の視点も

 日和佐 食卓が問題になっています。子どもがたった一人で食べる弧食、成長期にある若者の欠食、中食や外食による栄養バランスの偏り、サプリメントや健康食品への依存そして痩せ願望や逆に肥満による生活習慣病の増大などです。給食の地産地消の取り組みもなされていますが、大消費地では不可能です。生産地と消費地を結ぶ事例なども具体的にもっと紹介してほしいです。単に食材の導入だけではなく、生産地域に今も伝承されている食べ物や食べ方、農村の生活文化も含めた交流が必要だと思います。そのような視点での取材記事を期待します。また海外、特に農業協同組合組織の強い北欧の状況なども紹介してほしい記事の一つです。

 三嶋 農業生産や食料問題について取り上げられていますが、私はもっと農村空間、農村文化や生活の視点を入れてもらいたいなと思いますね。ものを生産することも大事ですが、農村文化をもう少し見直さなければいけないし、その中での農業生産・食料生産が生きがいに通じるのではないかと思います。かつて基盤整備をするときに、その総事業費の1%を生産者だけではなくその地域で農村文化なりを残すために使おうと提案したことがありますが、文化性の問題を取り上げてもらうとありがたいですね。

◆事業展開のなかでどう運動を構築していくのか

 梶井 協同組合のあり方について新聞でどの点を掘り下げるべきか、多くのご意見をいただきました。そうしたご意見を頭に入れて今後、編集をしていってもらいたいと思います。
 協同組合は本来的に矛盾を持っている組織です。事業、経営という側面でいえば、効率性とか収益性を追求しなければならない。小島さんが指摘されたように“銀行や商社、大型小売業などと対等な条件で市場の中で競争しなければならない”。しかし、組織の原則からいえば一人一票で加入・脱退の自由があり、民主的な運営が要求されるわけです。この矛盾した側面を統一体として保っていくための要は何かといえば、われわれは何のためにこの事業をやっているのかという運動論的な側面だと思います。
 最近の協同組合、とくに全国連組織は、一般企業との競争が激甚であるために経営効率とか経済性という側面だけがクローズアップされて、運動論としてどう事業を展開していくか、事業展開の中でどう運動を構築していくのかという視点が弱くなっている。これが非常に問題なのではないかと思います。
 この新聞でこれから組織全体の問題を取り上げるときには、運動論的な側面がどう事業展開のなかで動いているのかということをクローズアップさせていくことが一番大事なことだと思います。

紙面審議会を終えて

 “この新聞は全国連の機関紙的な新聞ではなくて、わりあいと自由な論議があったと思います。しかし最近はそうしたピリッとしたところがなくなってきた…。もう少し自由な批判が必要…”という大変重要な指摘が上山委員からあった。編集に携わっている方々には心しておいてもらわなければならない。
 “そのときそのときの重要課題についてキチンとした論説が載るというのがこの新聞の魅力ですが、やや「月刊誌的」…。旬刊ならばもう少し取材した記事が欲しいですね。掘り下げて取材した記事が論説と相俟って強くアッピールしていく…”という太田原委員の指摘。
 また“例えばインタビューとか対談で意見を掲載する場合、反対意見が当然あるわけですから、それを取り上げなければいけない…。そして取り上げる問題のフォローアップが足りない…。もう少し農協関係者以外の政界、財界、学界の人たちの農協や農業に対する意見を積極的にインタビューしていくことが必要…”という小島委員の意見は、“ピリッとしたところ”を取り戻すための具体的提案と受けとめるべきだろう。心がけてほしい。
 農協改革の焦点である経済事業改革については、多くの悩みを抱えながら各地でさまざまな取り組みが行われている。
 “優秀な事例で、こうやってクリアして協同組合運動を進めていくのだという指針を出すことを期待”する意見、“手をあげてわれわれと一緒にやってくれる全農になって欲しい”という要望があることが伝わるような記事、或いはJA間提携、制度金融を取り上げるべきという、これまで手薄だった課題への対応を求める強い声があったが、それらを取り上げるなかで、“世の中が自分さえよければいいとか、効率一辺倒になってしまうときに、互いに助け合っていこうという協同組合運動的な意識をもっていくことの大事さを紙面を通じて出して欲しい”(前田委員)というのが委員共通の問題認識だと、私は感じた。
(梶井)


(2005.11.15)

社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。