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シリーズ 「再生21」への挑戦―コープこうべ

エコファーム
環境問題を学び人間性回復へ

今野 聰 元(財)協同組合経営研究所研究員


「エコファーム」の風景
「エコファーム」の風景

 県内三木市内に、26人の生産者が1998年に設立した(有)みずほ共同農園がある。都市から急に村落に入ったような地域だ。家並みも立派な骨格である。管内13haの耕地。
コープこうべの「環境共生型農園構想」に賛同して設立されたという。それなりの決意だったと思う。その後2001年5月に生協は「エコファームのビジョン」を起草した。タイトルだけを引用する。
(1) 環境や食糧に関する知識を学び、実践できる人を育てる学校としての役割を果たします。
(2) 食品リサイクル時代の先駆的モデルとしての研究活動と、情報発信を進めます。
(3) 安全・安心な作物生産にこだわり乍ら、経済的に自立できる農業を目指します。
(4) 農業を志す人を積極的に支援し、後継者の育成を通して農業振興に貢献します。
(5) 多くの人が来園し、体験や交流を楽しむことが出来る魅力あふれる場にします。
(6) エコファームを支えるさまざまな人の思いや力を結集し、ともに活動を進めます。
どこか理想郷の気分がある。農業の未来に期待を持てもする。こうしてここの体験メニューは、「エコファームクラブ」(農業の手伝い)、「マイファーム」(ミニ農園のオーナーになる)、「貸し農園」(10坪、年間15750円で100区画)、「エコファーム講座」(菜園づくり、手づくり体験加工、フランス料理教室)など豊富だ。東京都練馬区などには、区内生産者と共同で「大泉風の学校」などあり。だから農業が一般的に逆風の中では、「エコファーム」運動は浸透しつつある。
 そこで事業成果はどうか。2001年度売り上げ高は野菜売り上げを主力に、体験学習、体験農園、以上三事業で、67555千円。今年度は73百万円ほどの計画だからゆっくり前進しているという感じだ。ここでは近隣コープ店舗などから回収した食品残滓を「コープ土づくりセンター」に送る。年間最大877トンの生産計画を持つ。分別搬入以外に新機軸がある訳ではない。やっぱり野菜・肉・魚の加工クズに菜切り包丁が混入していた。リーダーの楽天性と地道な努力にほっとした。しかも体験農園に近接し、そこにも有機堆肥は提供される。実際に見ることができるという訳だ。つまりリサイクルシステムとは、こうして有効な資源に変わるという実例である。この集積は長期的には大きな意味を持とう。小倉組合長に再び登場してもらう。
 「今取り組んでいる環境問題にしても[エコファームは、人間性回復のために、あるべき農業や資源循環システムを提案している事業だ]ととらえてはどうだろう」
 生協版「環境報告書」(2002年6月発行)にも冒頭、「環境を守ること、それはくらしを守ること」とある。この教育効果に期待したい。




農業協同組合新聞(社団法人農協協会)
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