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自著を語る (社)家の光協会編集局長  大金 義昭
農とおんなと協同組合

  『農とおんなと協同組合』

     大金義昭 著  全国協同出版、112ページ、定価 \900

(おおがね よしあき)昭和20年栃木県生まれ。早稲田大学法学部卒業。(社)家の光協会編集局長。月刊誌「家の光」「地上」編集部、文化センターふれあい課、総合企画局事務開発室などを経て文化センター局長から現職。主著に「野男のフォークロア−−極北の歌人・時田則雄と農をめぐる世界」(砂子屋書房)、「おんなたちのルネサンス」(富民協会)など。


 変革の時代です。
 チェンジ・リーダーになるための条件を解明していくにあたって、P・F・ドラッカーは『明日を支配するもの』(ダイヤモンド社)の冒頭、次のように記しています。

 今日のような乱気流の時代にあっては、変化は常態である。変化はリスクに満ち、楽ではない。悪戦苦闘を強いられる。だが、この変化の先頭にたたないかぎり、企業、大学、病院のいずれにせよ、生き残ることはできない。急激な構造変化の時代にあっては、生き残れるのは、自ら変革の担い手、チェンジ・リーダーとなる者だけである。

 ドラッカーはそして、「変化を機会としてとらえる」チェンジ・リーダーの条件の第1に、「体系的廃棄」すなわち「すでに行なっていることの体系的廃棄」を掲げています。「行ない方は、行なうことそのものよりも早く陳腐化する」と唱え、「体系的廃棄」は「行なっていること自体の廃棄ではなく、行ない方の廃棄である」と続けています。
 他の条件は別途確かめていただくことにして、訳語の堅苦しさを噛み砕き、普段の言葉に置き換えれば、要するにこれは「やり方を変えよう」ということでしょう。
 個人も組織も、発想の仕方や行動様式など、方法(論)を切り替えなければ、ピンチをチャンスに逆転できない、というのです。
 JAの場合、これは具体的にどのような課題を指しているのでしょうか。わたしなりの理解によれば、オールJAがいま、数値目標を掲げて挑戦している「男女共同参画」の取り組みにほかならない、と考えています。
 「男女共同参画」は手段・方法でもあり、JAが21世紀に、協同組合としての新しい地平を切り拓いていくための不可欠の課題です。『堀田力の「おごるな上司!」』(日本経済新聞社)に、次のような警句がありました。

 いま、女性の幹部を登用しなければ、やっていけない。
 色眼鏡をかけずに女性の能力を評価できる男が、これからの組織を救う。

 JAが地域にあって、協同組合の真価を実践的に究めていくためにも、女性の登用は不可欠であり、女性にたいする男性の色眼鏡も外していただかなければなりません。むろん、女性自身も、女性ならではの能力を遠慮なく発揮していただきたい−−僭越ながら、拙著にはそんな願いを込めました。
 もともと本紙による新春恒例のJA全国女性大会特集号に、足かけ6年にわたり連載させていただいたもので、小冊子にとりまとめるにあたり若干の加筆・修正を行い、大活字に素晴らしい写真を添えていただきました。お騒がせの感もあるのですが、どうぞご一読ください。





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