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シリーズ 食糧法改正とJAグループの米改革
多彩な事業で米消費拡大をアピール
毎月8日は「お米・ごはん」の日
日本型食生活の大切さ伝える

 JA全中は、日本型食生活と稲作が果たしている役割についての啓発活動やごはん食を中心としたライフスタイルの提案などの米消費拡大運動に取り組んでいる。また毎月8日を「お米・ごはんの日」とし同運動を推進していく。ここでは最近の米消費拡大運動のトピックスを紹介したい。

◆クイズなど人気集める「お米・ごはんの日」イベント

「お米・ごはんの日」のPRマーク。
「お米・ごはんの日」の
PRマーク。

 JA全中は、毎月8日を「お米・ごはんの日」とし、ごはんを中心とした日本型食生活のPR活動を一層強化することにした。
 2月8日の「お米・ごはんの日」には、東京・銀座、大阪心斎橋、福岡・天神のお米ギャラリーでさまざまなイベントがおこなわれた。
 お米ギャラリー銀座では、米やごはんに関するパネルクイズを行った。店の前には、毎月8日が「ごはん・お米の日」であることをPRするのぼりがずらりと並び、午前11時のオープン直後から、来店者が次々にクイズにチャレンジしていた。
お米ギャラリー銀座店内
お米ギャラリー銀座店内
 正解するとくじ引きでお米ギャラリー2階のごはん亭での食事券やお米が当たるなどの賞品を用意。親子づれや若い男女、学校帰りに立ち寄った制服姿の高校生など、年齢層も幅広く、みな熱心にクイズに挑戦していた。この日はチャリティーとしての精米販売(数を限定)も行った。
 今後も毎月8日にはさまざまなイベントを行っていく。

◆「ごはん」は家族への愛情表現
  ―朝ごはん実行委員会が意識調査

クイズなど人気を集める
クイズなど人気を集める

 食糧庁・JA全中・JA全農で構成する「朝ごはん実行委員会」では朝ごはんに関する消費者の意識調査を実施している。昨年12月には「作り手の意識から見る朝食実態調査結果」を発表した。(朝ごはん実行委員会ニュースNo.9)。

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 この調査では、朝、ごはんとパン食では、作るのにたいした時間差はない、朝ごはんを作るのは家族への愛情からで、「家族に頑張って欲しいから」という母親が多いという結果が出た。実態調査は、全国の3歳から高校生までの子どもを持つ母親を対象に昨年12月に行った(有効回収数305票)。
 調査結果をまとめると、▽朝食メニューは調理の簡便さと食べやすさで決める主婦が多く、▽そのため、家族に食べさせたい主食は「ごはん」と考えている人が多いにもかかわらず、「ごはん」をメインに用意しているのは4割弱、▽しかし、「ごはんの日」と「パンの日」の調理時間を比べると、その差はわずか3分だった。
「お米・はんの日」にクイズに挑戦する来店者。お米ギャラリー銀座で。
「お米・ごはんの日」にクイズに挑戦する来店者。お米ギャラリー銀座で。
 また、主食の決定については、▽「ごはん」は家族の好みで決めることが多く、▽パンの場合は、調理の手間や時間といった作り手の都合が優先されていることが浮き彫りになった。
 概要は次のとおり。
○朝食メニューを決めるポイントは調理の簡便さと食べやすさ
 「ふだん朝食を作るのに重視しているのは何?」(重複回答)の問いに、「調理時間が短いこと」が79.7%で最も多く、次いで「作るのが面倒でないこと」が71.1%。
○家族に食べさせたい主食はごはん
 「最も家族に食べさせたい朝食の主食は何?」では、「ごはん」が72.1%で、「パン」24.6%を大きく引き離している。「パンがメイン」という人も、実際は「ごはんを食べさせたい」と思っていることがわかった。
○ごはんとパンの調理時間の差はわずか3分
 朝食のごはんとパンの調理時間を聞いたところ、ごはんは平均16.2分、パンは平均13.1分で、その差はわずか3.1分であることがわかった。
 「時間がないので」とごはん以外の朝食を用意しているのは、「ごはんは時間がかかる」という先入観があるものと考えられる。
○ごはんは家族の好み、パンは作り手の都合
 ごはん、パン、それぞれの朝食の用意理由を聞くと、「ごはん」は第1位が「子どもの好み」で59.9%、次いで「朝食と一緒にお弁当を作るので」44.8%、「配偶者の好みで」42.7%。パンでは、「調理に手間がかからないので」が63.5%、「調理時間が短いので」が56.0%、「あなた(自分)自身の好みで」が53.8%と上位を占め、「作り手の都合」が優先されていることがわかった。
○ごはんは「家族に頑張ってほしいから」
 シーンごとにふさわしい朝食の主食を聞くと、「ごはん」と答えた人は、「家族に頑張ってほしいとき」90.8%、「張り切っているとき」83.0%、「生活習慣病を考えたとき」75.1%と、「ごはん」との回答がパン、シリアルなどを大きく引き離した。
○朝食をごはんにして良かったこと
 「腹持ちがいい」「一緒にいろいろなおかずが食べられ、栄養バランスがよくなる」などの回答が多かった。また、「夫や子どもの気持ちが落ち着いているように見える」「暖かい家族の雰囲気を感じる」「朝から元気でいられる」など、ごはんを主食にすることによる気持ちの面での記述も目立った。
家族に食べさせたい朝食の主食は、「ごはん」72.1%

◆朝ごはんコンテスト入賞作品の商品化すすむ

 朝ごはん実行委員会が募集した「忙しい朝でも手軽に、思わず食べたくなる」お米を使った新メニュー入賞作品の商品化がすすんでいる。 今年度の最優秀賞・食糧庁長官賞に輝いた平川文子さん(東京)の作品「“薫る”おにぎりシリーズ〜抹茶おにぎり」で、そのレシピをもとに商品化されたもの。コミュニティストア(デリシャスフード)関東エリア約400店で発売された。また、長尾松世さん(神奈川)の作品(なっとうあほかどん)もユーマートで2月末から発売されている。今後も同コンテスト出展作品から新しい商品が生まれる予定だ。

◆「お米すーぷ」「お米クレープ」が好評

「おこめクレープ」が好評で名物に
「おこめクレープ」が好評で名物に

 お米ギャラリー銀座(東京・銀座7丁目)の「お米クレープ」が好評で、今や同ギャラリーの名物となっている。この1月から6種類の新メニューが登場し、値段も一律250円に。新メニューは、アプリコット、オレンジソース、フルーツミックスヨーグルト、白玉小豆ホイップ、ツナマヨネーズ、季節のクレープで、全品カスタードクリームまたはホイップクリームのどちらかが選べる。
 また、昨年9月下旬から「ごはん亭」に登場した「お米すーぷ」(かぼちゃ、トマト)も順調な売行き。単品各220円、おにぎり1つとサラダのセットで350円。
お米スープ(右)。おにぎり1つとサラダセットで350円。
お米スープ(右)。おにぎり1つとサラダセットで350円。
 このように多彩な活動を通じて実現したお米を使った新しいメニューの開発・販売も、流通に対するアプローチの試みとして取り組まれている。
 なお、1月の同ギャラリーの売上げランキングは次のようになっている。
 ☆お米―(1)黒米、(2)魚沼コシヒカリ、(3)赤米、(4)香り米、(5)新潟コシヒカリ、☆米加工品―(1)甘酒、(2)五穀米ぼうろ、(3)発芽玄米、(4)ひじきおこわ、(5)おこげ揚餅、☆コメテリア(お米クレープ)―(1)バナナチョコ、(2)黒胡麻と玄米フレーク、(3)黒豆とくるみ、(4)アプリコット(あんず)。

◆小さな大発見が今年もいっぱい―第14回バケツ稲づくりコンテスト表彰式開催

バケツ稲づくりコンテスト表彰式
バケツ稲づくりコンテスト表彰式

 JA全中が主催する「バケツ稲づくりコンテスト」の表彰式が2月22日、東京・虎ノ門パストラルで開かれた。
 バケツ稲づくり事業は、次の時代の食生活を担う子供たちの米消費拡大を目的に平成元年からスタート。種籾、肥料、観察ノート、栽培マニュアルのセットを配布している。平成2年からは観察ノートを中心とした栽培記録や観察方法などをまとめた作品を募集してコンテストを開催してきた。今回で14回を迎えた。
 表彰式では主催者あいさつとしてJA全中の中村祐三常務が会場に集まった子どもたちに向け、「バケツ稲づくりのセットは最初は3万セットの配布だったが、今は50万セットにまでなっている。みなさんも今回でバケツ稲づくりを終わりにするのではなく続けてほしい」と語るとともに、米の消費が減って米は生産調整をしている状況にあることも紹介、「米の消費が減らないようどんどん食べてほしい」と呼びかけた。
食糧庁長官賞に選ばれた小学3年生の村中澄怜さん。
食糧庁長官賞に選ばれた小学3年生の村中澄怜さん。
 今回のコンテストには個人の部に1649点、団体の部に138点、合計1787点の応募があった。応募者の増加にともないその内容も多様化したため、個人の部、団体の部ともに「小学生低学年」、「同高学年」、「共同作業」、「その他」の4つのカテゴリーを設けて審査した。また、稲づくりだけでなく収穫後の米を調理するなど、お米・ごはんの大切さをアピールする作品に対して、「お米・ごはん賞」も新たに設けられた。
 1月の最終審査会の結果、「食糧庁長官賞」には、個人の部で村中澄怜さん(富山県・3年生)、団体の部で三重県大安町立丹生川小学校(6年生)が選ばれた。また、「JA全中会長賞」には、個人の部で宮脇愛さん(広島県・6年生)、団体の部で宮崎県高城町立有水小学校(5年生)が選ばれた。

◆第27回「ごはん・お米とわたし」 作文・図画コンクール受賞者決まる

 第27回「ごはん・お米とわたし」作文・図画コンクールの各賞受賞が決定し、1月17日に東京・虎ノ門パストラルで表彰式が行われた。
 同コンテストは、全国の小中学生を対象に、古くから日本の食卓と国土を豊かにつくり上げてきた稲作と、ごはん食と健康の結びつきを見直してもらい、稲作農業を通して人々とのコミュニケーションづくりを図ることを目的。
 今回の応募総数は、作文3万5780点、図画6万4808点。川野重任審査委員長(東大名誉教授)ほか5名の審査委員で審査が行われた。受賞者は以下のとおり。
【内閣総理大臣賞】〈図画〉池田恵梨奈(栃木県益子町立田野中1年)〈作文〉田口浩太郎(長崎県平戸市立中部中1年)
【文部科学大臣賞】〈図画〉瀬戸口祐介(鹿児島県末吉町立柳迫小2年)、岡崎めぐみ(新潟県真野町立西三川小4年)、片山浩平(群馬県藤岡市立西中3年)、〈作文〉岸本祐介(岡山県岡山市立宇野小2年)、若癢ミ加(福井県福井市立木田小6年)、吉田里奈(群馬県沼田市立沼田小1年)
【農林水産大臣賞】〈図画〉望月志穂(茨城県土浦市立荒川沖小3年)、冨田啓貴(広島県東広島市立三ツ城小4年)、松尾美佳(佐賀県武雄市立武雄中3年)〈作文〉石丸大樹(愛媛県今治市立桜井小3年)、栞井匠(鳥取県鳥取市立若葉台小6年)、澄川元晴(香川県財田町立和光中2年)

◆『子供ごはん料理教室』第2期(全国6カ所)開始

 この教室は、小学校高学年の児童とその保護者を対象に開かれている。
 親子で一緒にごはん食やお米に触れることでごはん食への理解、親近感を深め家庭での食事の大切さをあらためて認識してもらうことが目的。今年度で第二期。
○日時/3月21日(金・祝)、22日(土)、23日(日)。
○開催地域/北海道(札幌)、長野、滋賀(大津)、兵庫(西宮)、鳥取(米子)、高知
○内容/各会場に料理研究家、栄養士を迎え、子供には料理教室で栄養バランスに富んだ「一汁三菜」料理など本格的なごはん料理をプロの先生と一緒に体験してもらう。保護者にはお米ライフセミナーでごはんや稲、水田への理解を深めてもらう。トークショー、クイズ大会なども開き、楽しみながらお米ごはん食に親しんでもらう。 (2003.4.9)




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