農業協同組合新聞 JACOM
   
コラム
消費者の目

理解難しいお客さんの「本当の気持ち」

 今年はアテネオリンピック開催ということもあって、電器製品量販店の店頭は、プラズマテレビと液晶テレビの販売合戦でにぎわっています。どちらも大画面・うす型で、展示商品を見る限りでは、どちらも素晴らしくきれいで、迫力のある映像が楽しめそうです。そもそも、プラズマテレビと液晶テレビは何が違うのか、分からない人のほうが多いのではないでしょうか。
 プラズマテレビのほうが黒が際だっている、液晶テレビのほうが消費電力が小さい、プラズマテレビの寿命は液晶に比べると短い、液晶テレビはスポーツなどの早い動きに弱いなどなど、テレビの特集を見ても、雑誌の解説を見ても、甲乙つけがたく、ますますどちらが良いのか分からなくなってゆくばかりです。
 最近のテレビはちょっとやそっとでは壊れないので、テレビを購入するのは10年に一度あるかないかです。そのため、電器店のテレビ売り場に並んでいる製品は、見たこともないようなものばかりです。お店の人も次から次へと新製品が出てくるので、製品情報を覚えるのが大変そうですね。
 パソコンにしても、半年ごとに新製品が出てきて、目が回りそうです。「CPU(中央演算装置)はインテルPentium 4プロセッサ2.8G Hz、DVD±RWドライブを搭載」といわれると、たいして意味も分からないのに、なんだかありがたい気がするのは私だけでしょうか。
 しかし、いざ買おうと思うと、製品の性能の違いが分からなくなって、どれを買ったらいいのか決められなくなってくるのです。それだけ、パソコンはメーカーやモデルによる性能の違いがなくなってきたということかもしれません。それに加えて、半年も待てば、今のものよりも数段性能の良いものが安い値段で買えるようになるのかと思うと、なかなか決断ができなくなってしまいます。モノ志向の男性にはつらい時代なのかもしれません。

◆男はモノ志向、女はコト志向

 一方、女性はコト志向といわれます。家内にとって、細かな性能の違いなど始めから問題ではないようで、自分がやりたいことができるかどうか、値段が安いかどうか、見た目が気に入るかどうかであっさりと決めることができるようです。まったくうらやましい限りです。
 農作物の場合、流通や外食産業に携わる方は男性が多いので、たとえば野菜そのものの品質の良さや経済性を説得されることを好むかもしれません。しかし、家庭の主婦の場合は、この野菜を使えば、いかにおいしい料理が作れて、家族が喜んでくれるかが決め手になるのではないでしょうか。店頭で栽培の詳細を説明されても、女性は決して喜ばないでしょう。本当は興味がないのですから。それでも、「へー、そうですか」と、聞いている振りをするでしょうけど。お客さんの本当の気持ちを理解するのは難しいですね。でも、それが商売の醍醐味かもしれません。(花ちゃん)
(2004.8.26)


社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。