農業協同組合新聞 JACOM
   
コラム
消費者の目

ブランドとは「抜きん出た品質」のこと


 日本人は実にブランド物が好きです。特に女性はブランド物に目がないようです。Gucci、Hermesなど銀座には高級ブランド店が軒を並べています。世界で一番ブランド物が売れる国ニッポン。農産物も「ブランド化」しようと県や産地は躍起になっているようにみえます。しかし、果たしてブランド化の努力は消費者に伝わっているのでしょうか? 私には残念ながら産地の自己満足に終わっているように思われるのです。

 そもそも「ブランド」とは何でしょうか?「ブランド・マインドセット」という著書の中でデューン・ナップは「ほんもののブランドとは何か、そしてそれを築き上げるにはどうすればよいか」を明確に語っています。彼は、「ほんもののブランド」は「こころの眼」に「とんがって」映るものだと定義しています。
 つまり、唯一絶対の存在であり、何ものによっても置き換えることの出来ない存在であり、「ある抜きん出た特徴を持った何か」だというのです。名前や商標(トレードマーク)は確かにブランドの一部ではあるが、ブランド・ネームが親しみやすいからと言って、それが「とんがり」につながるわけではないのです。

 世の中のブランド農産物はどちらかと言うと「ブランド・ネーム」の親しみやすさや、知名度アップの活動に重きをおいているように思われるのです。本当のブランドになくてはならないものは「ブランド・ネーム」ではなく、他の追随を許さない「抜きん出た品質」でなければならないと思います。抜きん出た品質を達成しようとする作り手の「熱い想い」もまたブランドの本質だと思います。どれよりも美味い米、めちゃくちゃ甘いみかんなど、品質が良ければ「ブランド・ネーム」は後からついてくるものなのです。
 本物のブランドには自ら「ブランド・ネーム」をつける必要などありません。「ブランド・ネーム」とはいわば「ニックネーム」のようなもので、クラスの人気者に友達が「ニックネーム」をつけてくれるように、本物のブランドには自然に「ブランド・ネーム」がついてくるものなのです。名前だけが先行しても、実質を伴わない商品は本物のブランドにはなり得ないことを肝に銘じなければなりません。ブランドとは個々の商品につけられる「ブランド・ネーム」というよりも、「このブランドを選んでおけば間違いはない」というような信用あるいは約束ともいうべきものです。

 最後にデューン・ナップの「ブランド・マインドセット」から、ブランド成功のチャンスが高まる2つのコンセプトをご紹介します。それは「物事を正しく行う」ことと、「正しいことをする」ことです。すなわち「ビジネスの基礎の部分をしっかり実行する」ということであり、「なすべき正しいことが何であるかを理解すること」です。これを農業に置き換えると、本物のブランドになるとは、農業の基本をしっかり行い品質の良い農作物を生産することだと思います。(花ちゃん)

(2006.3.20)


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