農業協同組合新聞 JACOM
   

特集 食と農を結ぶ活力あるJAづくりのために2007



宮田会長

 第24回JA全国大会では、「食と農を結ぶ活力あるJAづくり―『農』と『共生』を実現するために―」をスローガンに、担い手づくり・支援を軸とした地域農業振興と安全・安心な農畜産物の提供、安心して暮らせる豊かな地域社会の実現と地域貢献などに取り組むことを決議いたしました。そして現在、この決議に基づき、JAグループは、さまざまな事業・活動を通じて、組合員、地域住民の営農上・生活上の諸課題を解決・支援し、そのことにより地域の活性化や発展、安心して暮らせる豊かな地域社会の実現に取り組んでいるところです。
 農業を取り巻く環境は、WTO農業交渉・日豪EPA交渉、品目横断的経営安定対策の実施など変革の時期を迎え、さらに長引く米の消費低迷の影響で、平成19年産米についても早急な対策が必要となるなど、農業をめぐる情勢は相変わらず厳しい状態が続いております。
 また、私たちの生活を取り巻く状況に目を転じましても、先般の参議院選挙以降、都市と地方の地域間格差の問題、高齢化社会問題、過疎地における郵政民営化の影響などを不安視する声が高まっております。また、一方で凶悪犯罪の増加など、社会や家庭での問題が顕在化し、安心して暮らせる豊かな地域社会への国民の期待は非常に大きくなっています。
 こうした中、地域に根差したJAグループといたしましては、国民に安全・安心な食料を供給することはもちろん、食育基本法の施行を踏まえた食農教育、高齢者の生活支援、JAグループ役職員による災害ボランティア活動、地域活動の実践など、地域社会に貢献できる役割は非常に大きくなっております。地域に貢献し、地域から愛されるJAとして、地域とともに発展・繁栄していくことが、安心して豊かに暮らせる日本の将来の基盤となることでしょう。
 農業や地域社会は、一度崩壊してしまったら決して取り戻すことはできません。農業や地域社会が大きな変革期を迎えている今こそ、JAグループが地域と一体となって、さまざまな諸課題に取り組まなければなりません。
 担い手づくり・支援を軸とした地域農業振興と安全・安心な農畜産物の提供と、安心して暮らせる豊かな地域社会の実現をめざし、今後ともJAグループは、競争力ある事業の展開と質の高い魅力ある商品・サービスの提供を第一に、地域社会に貢献していく所存です。

特集にあたって
 本号特集のテーマは昨年に引き続き「食と農をむすぶ活力あるJAづくりのために」をテーマとした。今後、第24回JA全国大会決議の本格的な実践が求められると考えたからである。また、今号以降、全国20JAの実践を紹介するシリーズをスタートさせるが、JAの取り組みを進展させるキーワードは組合員や地域住民の力を「結ぶ」であることも強調されている。全国のJAへの期待が高まるなか本特集が一助となれば幸いである。

(2007.10.16)


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