農業協同組合新聞 JACOM
   

特集 農業倉庫火災盗難予防 月間スタート(19年12月15日〜20年2月15日)
    その1


点検は災害防止の出発点

よりいっそうの保管管理体制の強化を


1月間ポスター
 農業倉庫はカントリーエレベーターとともに、米麦の販売・流通の重要な拠点施設だ。火災盗難はもとより、近年は米についても安全・安心は当たり前と考えられ、生産履歴と同様に倉庫における「保管履歴」の開示が求められるなど、細心の品質管理がなされなければ、産地として選ばれない時代になってきている。
 JAグループは毎年この時期に「 農業倉庫火災盗難予防月間」運動を実施している。自主保管管理体制を再点検し、よりいっそうの充実強化をはかるこの運動の意義は、年々高くなってきている。そこで今年は、保管管理の合理化・省力化を進めながら、徹底した品質管理を行っているJA全農箱崎連合農業倉庫(福岡県)に取材した。

「農業倉庫火災盗難予防月間にあたって」
(財)農業倉庫受寄物損害補償基金 理事長 河合利光

河合利光

 平成19年産水稲の作況指数は、全国的に99の平年並みでしたが、特に南九州では、台風第4号等の影響を受け乳白米等の登熟障害の被害を受けました。また、能登半島地震や新潟県中越沖地震などの地震災害もあり、農業倉庫等に保管していた米のはい崩れなどの事故も発生しました。被害を受けられた地域の皆様には心からお見舞いを申し上げます。
 さて、平成19年も師走を迎え、今年も「農業倉庫火災盗難予防月間」を設け、防災・防犯の徹底と併せて適切な保管管理を図る運動を展開します。
 農業倉庫における火災事故は、ここ数年不審火による事故が発生しています。倉庫の
軒下に仮置きしていたパレットや、倉庫下屋からの出火など、放火と判断されたものであり、少なくとも倉庫周辺には燃えやすいものを放置しないこと、不在時は倉庫や事務所敷地出入口には必ず施錠することなどの対策が必要です。また、今年は、ライスセンターでの火災事故が発生しており、モーターやトランスからの漏電等の事例が報告されています。さらに、今年も米の盗難が発生しており、いずれも収穫直後に倉庫に置いてあった米がなくなっていたものです。
 このような農業倉庫等の火災盗難事故を未然に防止し、保管管理に万全を期すためにも、特に火気を扱う機会が多く、年末年始休みを含むこの月間において、役職員の行動基準の設定など防災体制を確立したうえで、農業倉庫等における火災および盗難事故防止に重点を置いた倉庫見回り、施設・設備の整備・点検を行い、保管管理に万全を期す必要があります。特に、盗難の被害については、農業倉庫基金には損害補償制度はありませんから、農業倉庫業者で対処していただくことになります。
 最近では、卸売業者や生協・量販店等は、米のトレーサビリティーはもとより、保管管理にも厳しい目を向け、そのことでJAの選択をすすめているところもあります。組合員が大事に生産した米の品質・評価を落とすことのないよう、農業倉庫業者であるJAが地道な保管管理を実施することが重要です。
 この予防月間の取り組みを通じて、役職員が一体となって保管管理に対する認識を新たにしていただきたいと願うものです。

火災盗難の予防を万全に
全農米穀部

 JAグループでは安全・安心をコンセプトとしたJA米について、平成16年産より取り組んでおり、3年目となった18年産では連合会出荷米の75%を占めるまでになり、JAグループが取り扱うスタンダードなお米として米穀卸業界の信頼が高まっています。
 今後は、一般消費者の認知度向上を図るため、JA米マークを使用した精米および米加工品の販売により一層取り組みます。
 また、JA米の信頼確保のためには、生産者段階での取り組みだけではなく、需要者にお届けするまでの「保管管理」が重要となります。
 JA米を保管する農業倉庫は、全国に約8200棟、収容力670万トンを有しており、JAグループ米穀事業の中核拠点ということが出来ます。
 平成15年に国の保管管理要領が廃止されて以降、倉庫業者が自らの責任と判断で米麦の保管管理を行うことになっており、農業倉庫業者であるJAはこれまで以上に大きな役割を果たしています。
 全農では、(財)農業倉庫受寄物損害補償基金とともに全国4会場にて農業倉庫保管管理技術研修会を開催し、保管管理担当者の技術向上を図るとともに、火災や盗難が多発する冬季に「農業倉庫火災盗難予防月間」(12月15日〜翌年2月15日)を設定し、全国一斉運動を展開しています。
 農業倉庫は、JA合併に伴い大型化・低温化(断熱構造化)が進みつつあり、万が一、火災事故が発生すると甚大な被害となることが予想されます。
 また、近年、倉庫において保管している農作物の盗難事故が多発しており、米穀についても流通の多様化により換金が容易となっていることから、盗難の対象として普段は無人の農業倉庫が狙われる恐れがあります。
 つきましては、農業倉庫関係者の皆様におかれましては、研修会・会議および巡回指導等を通じて防災意識の高揚を図っていただくとともに、改めて緊急時の連絡体制の確認と施設・設備の点検整備を行っていただき、あらゆる事故の発生防止に向けて保管管理に万全を期していただきますようお願いします。

農業倉庫火災盗難予防 月間スタート 現地ルポ JA全農箱崎連合農業倉庫(福岡県)へ

(2007.12.17)

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