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コラム
大宇宙.小宇宙

大相撲優勝者の表彰


 12日から26日まで、両国国技館で恒例の大相撲1月場所が開催される。
 昨年の九州場所は、2横綱、2大関の休場となり、一抹の不安を感じさせたが、朝青龍の活躍が救いとなり、とくに表彰式には、モンゴル出身力士の初優勝を祝って、モンゴル大統領のメッセージがとどくなど国際色豊かであった。
 このような、幕内最高優勝者に対する賜杯を始め、各種の賞状ならびに副賞の授与風景は、千秋楽のクライマックスとなっている。
 この場面は農業関係者にとっても、全農、大分県椎茸農協、ホクレンの名が登場するので馴染み深い。
 ただ残念なことに、次から次に授与される模様は、テレビでは解説者の場所を振り返っての話などで中断されるため、その全貌が分からない。たとえ直接観戦していても、あまりに数が多いため、その1つ1つを正確に覚えて帰る観客はまずいないだろう。
 そこで、平成11年9月場所のものであるが、幕内最高優勝者に与えられた品々のリストを相撲協会広報部から貰ったので紹介してみよう。
 全員起立しての君が代斉唱後、土俵上に登場した優勝者(武蔵丸)は、相撲協会理事長から賜杯と表彰状を授与された。次いで優勝旗、賞状と金一封が贈られた。
 それから内閣総理大臣杯と賞状(以下賞状は全てに伴う)となるが、13年5月場所に貴乃花が優勝したときには、通常官房副長官が代理していたものを、小泉首相自らが杯を贈り、「痛みに耐えてよく頑張った。感動した。おめでとう」との名言を残した。
 そうして、チェコ友好杯(クリスタル製ガラスカップ、ピルスナー・ウルケルビール1年分)、メキシコ合衆国友好楯(友好楯、メキシココロナビール1年分)、モンゴル国総理大臣賞(トロフィー)、中国友好景泰藍杯(同上杯)、ハンガリー国友好杯(ヘレンドトロフィーティーカップ)、アラブ首長国連邦友好杯(友好杯、ガソリン1年分)と6カ国からの祝福を受ける。
 続いて、東京都知事賞(北村西望作獅子奮迅像)、毎日新聞寄贈の優勝額(金一封とも)、NHK金杯(金一封とも)、東京新聞、東京中日スポーツ賞(楯、金一封)となる。
 それが終わるといよいよ農業関係の出番で、まず全農賞(トロフィー、金一封、米30俵、秋の味覚、栗、梨、ぶどう合わせて1トン)が口火を切った。
 さらに、大分県椎茸農協賞(トロフィー、金一封、椎茸)、福井県知事賞(トロフィー、越前若狭の大地の恵み、華越前、おにぎり3万個分)、ホクレン賞(トロフィー、金一封、北海道のおいしいじゃがいもと玉ねぎ4トントラック1台分)、宮崎県知事賞(トロフィー、金一封、宮崎牛特選肉1頭分)と沢山の農畜産物が贈呈された。
 その後は日本航空賞(トロフィー、金一封)、酒の司大関賞(大銀盃、金一封、清酒大関4斗樽とワンカップ大関1年分)、コカコーラ賞(トロフィー、金一封)、平和堂貿易賞(高級腕時計ウォルサム)が贈られた。
 以上、実に22人が順番に土俵上に現れて優勝者に賞状などを手渡している。優勝力士を出した部屋は、後日賞品としての現物が届いたら置く場所に困るほどである。金一封だけでも合わせると、金11封になっている。
 こうしてみると、食品関係の贈物の多様さに驚く次第であるが、相撲と農業の世界との結びつきの深さを知る。
 やはり、力士たちの体を支えているのは、豊かな国産農畜産物に違いない。(MMC)


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