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【出光興産】
苗生産会社「グリーンジオ」を設立

緑化事業への新たな挑戦

 出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京都千代田区)は5月14日、緑化事業への...

 出光興産(株)(天坊昭彦社長、本社:東京都千代田区)は5月14日、緑化事業への新たな参入を明らかにした。同社アグリバイオ事業部は農業、畜産、緑化をトライアングルとした「総合的環境事業」に挑んでいる。
 今回の取組みは、これを一歩進め具現化したもので、(株)エスビーエル(大出真毅社長、本社:栃木県小山市)、(株)グリーンプロデュース(大出武久社長、本社:栃木県小山市)と共同で、土壌適応力に優れる被覆植物“改良イワダレソウ”『クラピア』(商品名)を生産する新会社「(株)グリーンジオ」を設立した。立ち上げは、4月4日。
 資本金は8000万円。出光興産50%、エスビーエル37.5%、グリーンプロデュース12.5%の比率。グリーンプロデュースの大出武久社長が代表をつとめ、緑化用被覆植物である“改良イワダレソウ”『クラピア』の生産とそれに関連した資材の仕入れ販売を行っていく。
 出光では、同社がこの分野で先行させた植物成長促進微生物資材『Drキンコン」が『クラピア』に対して大きな生育促進効果を示すことが判明したことをきっかけに、18年2月から宇都宮大学と共同で、イワダレソウを植栽に活用する検討を重ねてきた。
 研究所や製油所内の敷地に植栽し、その成長スピードや維持管理コストの確認を行った結果、明らかな優位性を見出すことができた。
 『クラピア』は都市、砂漠地帯、屋上など幅広い用途が期待されているが、その一環として、19年4月から中東などの砂漠地帯の緑化に『クラピア』を応用することを視野に入れ、現地試験を展開している。
 『クラピア』は、気温50℃におよぶ夏場にも旺盛に生育することが確認できており、現在では灌漑量など、さらに条件を細かく設定した現地試験に取組んでいる。
 初年度の売上目標を6000万円としているが、社会的なニーズに対応し知名度を高めていけば、10年後の売上目標である20億円は、決して夢ではないと思われる。

(2008.05.14)