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【デュポン】
待望のリナキシピル剤、市場投入へ  デュポン

チョウ目害虫に卓効し、浸透性に優れる

 デュポンは10月2日、待望のリナキシピル剤2剤の農薬登録取得を明らかにした。チョウ目害虫に卓越した効果を示すだけでなく、優れた浸透移行性に特長があり、大型殺虫剤に成長する可能性が高い。

 平成21年9月28日付けで農薬登録を取得したのは、有効成分クロラントラニリプロール5%含有の「プレバソンフロアブル5」(注1)と同10%含有の「サムコルフロアブル10」(注2)の2剤。
 「プレバソンフロアブル5」は、キャベツ、はくさい、レタスなどの葉菜類、トマト、なすなどの果菜類、その他大豆などの作物に対してチョウ目、ハエ目、コウチョウ目など幅広い殺虫スペクトラムの適用を持っている。
 また、大きな特長の1つとして根からの吸収移行性が優れる本剤は、散布剤としてはもちろん、灌注剤での効果が期待できる。その残効は4週間と長く省力的であり、またドリフトや被爆が少なく環境にもやさしい処理方法の提案ができる薬剤。
 いっぽう「サムコルフロアブル10」は、りんご、もも、なしなどの果樹、および茶に適用があり、チョウ目害虫に卓効を示すだけでなく、葉内への浸透性に優れるためハモグリガなど葉の中に潜る潜葉性害虫に効き目を発揮する。
 また、いっぽうで作物をはじめ、天敵・訪花昆虫に対する安全性が高く、果樹場面でも安心して使用できる魅力がある。
 リナキシピルを有効成分とする殺虫剤は、米国をはじめ世界40カ国以上で既に販売され好評を得ている。同社では、「2剤ともに既存の抵抗性害虫に有効であり、長期残効を持つことからも、ローテーションの1剤として新たな害虫防除剤体系の確立に貢献することができる」としている。
 農薬販売会社を通じ、JAおよび小売店で販売される。
 (注1)プレバソンフロアブル5協議会 シンジェンタ ジャパン、日産化学工業、北興化学工業、丸和バイオケミカル、事務局:デュポンで組織。
 (注2)サムコルフロアブル10協議会 アグロ カネショウ、北興化学工業、丸和バイオケミカル、三井化学アグロ、事務局:デュポンで組織。
 〈問い合わせ先〉デュポン(株)農業製品事業部 営業本部 電話(03)5521-8410

(2009.10.13)