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【明治製菓】
オリゼメート発売35周年で記念講演会  明治製菓

時々に転換点あるも現場のニーズ捉え

 明治製菓・生物産業事業本部(黒川知事業本部長)は19日、東京・千代田区の学士会館で「オリゼメート発売35周年記念講演会」を開催した。
 同社生物産業研究所の岩田道顯氏が講演を行い、講演会後には謝恩会も開催され、同剤の35年間を振り返るとともに、日本農業の将来像などを話題に、和やかに歓談した。

発売35周年のイベント(19日、学士会館にて) オリゼメートの有効成分であるプロベナゾールの発見は、1966年のこと。74年に「オリゼメート粒剤」として農薬登録を取得し、翌75年から本格的に市場投入された。35年にわたり、稲生産を中心に日本農業に貢献してきた。
 発売初期の立ち上げ段階では、発生予察などの新しい稲作技術を取り入れ、いもち病の感染前に予防的に用いる技術開発が行われ、「予防にまさる防除なし」の思考が基軸にあった。
「現場のニーズに対応してきた」と挨拶する黒川事業本部長 その後、「あらゆるニーズに対応するオリゼメート」の開発方針のもと、園芸での登録(キュウリ・ネギなど13作物)取得のみならず、多様な製剤開発を加速し、平成10年以降は殺虫剤とのコンビネーションによる長期残効型育苗箱剤の普及が進み、多くの製品ラインアップを果たした。育苗箱処理は、1つの革命でもあった。
記念講演を行った岩田氏 最近では、稲作のごく初期段階、「は種時、は種前」に使用する製剤の開発なども手掛け、新たな処理技術の開発に挑んでいる。
 発売から35年。その時々に転換点はあったが、現場のニーズを第一に考え、あらゆる処理方法の製剤を開発投入してきた。
 現在では、関係メーカー11社との共同開発もあり、50種類におよぶ品目が揃い、40万ha以上の水田で元気な稲づくりに貢献している。
 また、環境モニタリングについても継続実施し、環境中での動態や残留実態の調査もすすめ安全性を確認している。
 同社では今後、「水稲病害虫防除のあらゆる場面に最適な薬剤を提供するべく、最大のパートナーである北興化学工業など、多くの関係メーカーとコラボレーションにより、あらゆるニーズにいち早く対応できるよう、農薬事業を充実させていく」としている。
 
(写真)
上:発売35周年のイベント(19日、学士会館にて)
中央:「現場のニーズに対応してきた」と挨拶する黒川事業本部長
下:記念講演を行った岩田氏 

(関連記事:講演の概要はコチラから

(2010.01.21)