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【日本農薬】
カメムシ目害虫に高い活性 昆虫行動制御の「コルト」  日本農薬

薬剤抵抗性管理面から散布ローテーションの基幹剤に

 日本農薬は11月26日、クミアイ化学工業と共同開発した新規化合物ピリフルキナゾンを有効成分とした新規園芸用殺虫剤「コルト顆粒水和剤」の市場投入を明らかにした。カメムシ目害虫に高い活性を示す昆虫行動制御剤。

クミアイ化学工業と共同開発した新規化合物ピリフルキナゾンを有効成分とした新規園芸用殺虫剤「コルト顆粒水和剤」 ピリフルキナゾンは、アミノキナゾリン構造をもつ新骨格の化合物で、特にカメムシ目および一部のアザミウマ目害虫に高い活性を示す。
 平成14年から「NNI―0101」のコード番号で試験展開され、22年10月20日付けの農薬登録を取得した。
 本剤は、昆虫の行動を制御する昆虫行動制御剤(IBR:Insect Behavior Regulator)に位置づけられ、野菜、果樹、茶など多くの作物に多大な被害をもたらすコナジラミ類、カイガラムシ類、アブラムシ類などのカメムシ目害虫に高い活性を示し、安定した作物生産に貢献するものと見られる。
 また、有機リン、カーバメート、合成ピレスロイド、ネオニコチノイド、IGR(脱皮阻害)剤などと異なる作用を示すことから、既存剤に抵抗性の発達した個体群に対しても高い効果を発揮し、薬剤抵抗性管理面から薬剤散布ローテーションにおける基幹剤としても期待されている。
昆虫行動制御の「コルト」 さらに、昆虫における選択性も高く、多くの天敵・有用昆虫に対する影響が少ないことから、IPM(総合的病害虫管理)資材としても活用できる。
 販売は、クミアイ化学工業の系統一元、日本農薬の商系、系統の二元で、数年後に2社で20億円市場をめざす。

(2010.11.30)