アグリビジネス

アグリビジネス

一覧に戻る

【シンジェンタ ジャパン】
抵抗性雑草対策成分のMX(メソトリオン)  シンジェンタ

5年後に全混合剤で40万haの普及目指す

 シンジェンタ ジャパンは、12月1日の記者会見で、新規抵抗性雑草対策成分MX(メソトリオン)配合の水稲用除草剤2製品4タイプの市場投入を明らかにした。
 天然除草成分由来の新規除草成分で、近年、国内で大きな問題となっているSU(スルホニルウレア)抵抗性雑草にパワフルでスピーディな効果を発揮する。

シンジェンタの農薬開発の方向性を語る村田社長 村田興文社長は「レジスタンス ブレーカー」という農薬開発の方向性を明らかにした。
 それは一部の病害虫、雑草に抵抗性がついてしまった有効成分、本来の力を他の対策成分と組み合わせることで、抵抗性問題を解決するもの。
天然由来の除草テクノロジー MXは、オーストラリア原産の低木樹「金宝樹」が持つ他の植物の成長を阻害する天然除草活性成分(アレロケミカル)の構造をモデルとして開発された。最初の農薬登録は2001年のドイツで、現在では、トウモロコシ、サトウキビなどで登録がある。日本での登録は、10年5月19日付け。

(写真)
シンジェンタの農薬開発の方向性を語る村田社長

天然由来の除草テクノロジー
 今回市場投入したのは「アピロトップMX1キロ粒剤75」、「同51」(商系チャネル)、「アピロキリオMX1キロ粒剤75」、「同51」(系統チャネル)の2製品4タイプで、ピリフタリド、プレチラクロール、ベンスルフロンメチル、メソトリオンの4種混合剤。
 水稲初中期一発剤の基幹品目に位置づける。ホタルイ、コナギ、ミズアオイなどのSU抵抗性雑草に極めて高い除草効果を発揮し、従来の対策成分より低薬量で抵抗性雑草を抑制する。抵抗性対策成分、メソトリオンは効果の発現もスピーディで約7〜10日で効果を確認できる。イネに対する高い安全性、田植同時処理への展開も大きな魅力。
 11年3月には、初期一発剤の「マキシーMX1キロ粒剤」の市場投入が予定されているほか、将来的にはMX混合剤7種をラインアップさせ、5年後の40万ha(全水稲面積の25%)の普及面積をめざす。

抵抗性雑草をパワフルに、しかもスピーディに抑制

(写真)
上:天然由来の除草テクノロジー
下:抵抗性雑草をパワフルに、しかもスピーディに抑制

(2010.12.02)