アグリビジネス

アグリビジネス

一覧に戻る

【松谷化学工業】
希少糖含有のシロップ製造法を実用化  松谷化工などの共同研究

 松谷化学工業(株)(伊丹)などの研究チームは、希少糖含有シロップの製造法の実用化に成功し、9月上旬の学会で発表する。

 砂糖資源の乏しい日本では、代替甘味料として、自然界に微量にしか存在しない希少糖(レアシュガー)を含有した異性化糖の開発が行われて来た。
 中でも「和三盆」の産地香川県では希少糖の一種である「D―プシコース」の研究が進んだ。
 今回は、1960年代に開発されながら実用化されなかった製造法を基にD―プシコースの量産技術を確立した。
 シロップの成分は▽7割程度のブドウ糖と果糖▽6%程度のD―プシコース▽2割程度のその他成分(希少糖など)となっている。
 機能性食品の開発が進む中で、自然な甘みを持つ甘味料として新しい市場を開く底力が注目される。
 研究は松谷化学工業の研究所チームと香川大学農学部、(株)希少糖生産技術研究所の共同で行われた。9月9〜11日に東北大学川内北キャンパス(宮城県)で開かれる日本食品科学工学会(58回大会)で報告される。

 香川大学は、D―プシコースがメタボリックシンドロームの解決に寄与する機能があることを解明した。D―プシコースはノンカロリーで、西日本に自生するズイナという植物に含まれ、昔は人々に食されていた。
 希少糖の種類は多く、50種以上もある。松谷化学工業としては様々な種類に関する研究を進め、▽抗肥満▽抗糖尿病▽抗動脈硬化などを始めとする作用の解明に取り組んでいる。 9月23〜24日に兵庫県・淡路夢舞台国際会議場で開く日本肥満学会(32回)では同学会と共催で、希少糖の生理機能などについてモーニングセミナーを開く。
 異性化糖=ブドウ糖と果糖を主成分とする液状糖。原料はトウモロコシ、ジャガイモ、サツマイモなどのデンプン。

(2011.08.31)