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【ダウ・ケミカル】
第3四半期としては過去最高の利益 種子・除草剤が好調  ダウ・ケミカル

 ダウ・ケミカル(本社、米国)は10月末、2011年第3四半期決算を発表した。全事業部門で10%以上の売り上げ増を達成。売上高は前年同期比で22億4100万ドル(17%)増の151億900万ドル、純利益は同3億100万円増の8億1500万ドル、1株あたりの利益は同0.24ドル増の0.69ドルとなった。特に新興国での成長が顕著で、中国、インド、ブラジルなど新興経済圏のみの売上高は四半期で過去最高となる50億ドルとなった。

 売上総利益から販売費と一般管理費のうちの減価償却費以外を差し引いた利益を指すEBITDAは21億ドル。特別計上損益を除くと20億ドルとなり、同社の第3四半期史上最高のEBITDAを達成した。第3四半期までの累計EBITDAは64億ドルで、特別経常損益を除いた68億ドルも前年同期比21%増で過去最高だった。
 事業別でもっとも売上高がのびたのは原料・エネルギーで、前年同期比37%増。次いで農業化学が同27%増だった。販売数量では、農業化学が同18%増でもっとも多かった。農業化学部門では、中南米で牧草用、欧州で穀物用、米国でトウモロコシ・大豆用とそれぞれ除草剤が大きくのびたほか、食用の植物油生産を中心とした種子関連事業が好調だった。
 地域別売上高でも全地域で同10%以上の増を達成。特に中南米で同21%増、欧州・中東・アフリカで同19%増と大きくのびた。販売数量では中国が同12%増、インドが同11%増、ブラジルが同10%増と新興経済圏での販売が大きくのびた。
 この結果を受けて同社のアンドリュー・リバリス会長兼CEOは、「先進国での経済回復が足踏み状態にある中、新興経済国への投資が功を奏し、急成長を成し遂げた。今後も新興経済国ではインフラ整備と都市化の需要が拡大するだろうが、ダウは農業、エネルギー、水処理などの不況に強い市場には明るい見通しを持っている」とコメントした。

(2011.11.07)