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【サタケ】
新幹線「はやぶさ」にサタケのモータ 精米機器開発の技術活かす

 今年3月にデビューから丸1年となったJR東日本の新幹線E5系。東北新幹線「はやぶさ」、「はやて」、「やまびこ」、「なすの」として走っているが、この電車のブレーキ用コンプレッサには精米機をはじめ穀物調整加工機器最大手のサタケが開発したモータが使われている。同社のモータ事業について紹介する。

東北新幹線E5系「はやぶさ」 サタケはコメ・麦・トウモロコシなどの穀物をはじめとした食品加工を主な事業とする一方、産業機械の開発も手がけている。その一つであるモータの開発に着手したのは昭和60年ごろ。海外での精米プラント建設を受注していく中で、そこに組み込む原動機も自社開発品にしようということで始まった。
 現在は「精米のサタケ」として世界に知られる同社だが、約120年前に同社が日本で初めて動力精米機を開発した際には、それにあわせたエンジン開発も成し遂げている。
 その後も精米加工機器の開発をすすめ省エネ化やダウンサイジングなど進化させてきたが、そうした機器開発の技術やノウハウがあったからこそ、こうしたモータなどの産業機械の開発ができたといえる。
 同社が開発した「SIM(SATAKE Induction Motor)モータ」は、始動電流が低くトルク(回転力)が大きいのが特徴。
 開発に着手してから7年後の平成2年に初めて私鉄の試験用車両に採用されたのをきっかけにその信頼性や高い技術が認められ、12年にはJR東日本の電車に採用。23年には新しい東北新幹線E5系「はやぶさ」に搭載された。
熊本一夫・取締役統括部長 同社のモータはこのほかにも、国内外16社の鉄道会社のほか、全国1100件の建物の消化ポンプや排煙ファンなどの防災設備にも採用されている。
 長年、開発に携わってきた熊本一夫取締役統括部長は「今後も省エネ、高効率モータを開発し、世界のCO2削減の取り組みなどに貢献したい」とさらなるモータ事業の発展に意欲的だ。

(写真)
上:東北新幹線E5系「はやぶさ」
下:熊本一夫・取締役統括部長


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