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【石原産業】
新規農薬4剤の開発を加速 石原産業が中期計画

 石原産業は5月に平成24年度3月期決算と今年度よりスタートする第5次中期経営計画「Challenge for 2020」を発表した。中期計画では、20年度以降4期連続で減益となった農薬事業の成長をめざし、新規剤4剤の開発を加速させるほか、ジェネリック品との競合対策などに取り組む予定だ。

 全体の売上高は1023億7800万円で前期より3.4%増、営業利益は97億6000万円で同8%増、経常利益は80億1200万円で同30%増だった。当期純利益は29億5100万円だが、前期は固定資産売却などの特別利益があったため前期比では39.2%減となった。
 このうち農薬を含む有機化学事業は、国内・海外ともに販売が好調で売上高は403億円と同2%増だった。このうち農薬の売上高は397億円で、約3割となる130億円が国内での販売だった。7割近くを占める海外では、欧州でトウモロコシ用除草剤ニコスルフロン(国内では商品名「ワンホープ」)、園芸用殺菌剤シアゾファミド(同「ランマン」)、米州で綿花用殺虫剤フロニカミド(同「ウララ」)の販売が伸びた。一方、円高の影響や新規剤の登録申請にかかる費用が増大したため営業利益は39億円で同47%減と大きく落ち込んだ。
 中期計画では、既存の主力剤ではニコスルフロンと園芸用殺菌剤フルアジナム(同「フロンサイド」)の維持とジェネリック品との競合対策を図っていくほか、ブラジル、インドなど新興国の農薬需要を取り込みたい考えだ。また、現在新たに4剤の新規剤開発を進めており、その開発を加速させ早期の上市を図っていく。直近ではうどん粉病専用殺菌剤を、2013年内に欧州、日本で上市する予定だ。これら4剤の販売を加えることで、連結売上高700億円をめざすとしている。

 

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