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【エス・ディー・エス バイオテック】
水稲用除草剤「ベンゾビシクロン」の海外展開強化  SDS

 エス・ディー・エス バイオテック(SDS)は8月7日、2012年12月期第2四半期決算を発表した。同日の会見で安田誠・代表取締役社長は、今後の取り組みとして同社の持つ農薬原体の海外展開を強化すると述べた。

 同社の上半期の売上高は46億2700万円、営業利益は1億2100万円、経常利益は1億200万円だった。円高や海外での殺菌剤ジェネリック品の影響などにより、前年同期に比べて減収減益となった。同社の通期決算は2年連続で経常利益が前年を下回っているが、12年は海外市場の拡大などを図り3年ぶりの前期比増をねらっている。
 その海外展開の核となるのが、水稲用除草剤「ベンゾビシクロン」だ。
 水稲用除草剤は、国内では競合剤が多く市場も飽和傾向であるため、「ベンゾビシクロン」の使用面積はここ5年ほど40〜50万haで横ばい傾向だが、韓国では06年の発売以降急激に増加し、わずか5年で30万haにまで達した。
 水稲は各地域ごとに栽培様式が異なるため、欧米ではゴーワン社(米国)と提携し現地にあった薬剤の共同開発をすすめるなど、地域ニーズに合った商品開発を進めていくとしている。また、水稲作付面積が700万ha以上あるといわれる中国については、現在、その大規模な市場の獲得をめざし、登録に向けて独自に試験を行っているという。
 同社のもう一つの基幹剤である殺菌剤「ダコニール」も、アジア地域での販売が伸びており、特に過去5年間でフィリピン向けの出荷が大幅に増えた。今後もインドネシア、インド、スリランカなど東南・南アジア地域での販売を拡大していく計画だ。
 そのほか新規剤の開発として、家庭園芸向けの非選択性除草剤「オレンジパワー」の年内上市をめざすほか、2014年には日本初となる植物由来の除草剤の上市も予定している。

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