コラム

落ち穂

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【駄々っ子】
KY(空気読めない)

 KY式日本語(大修館書店)という本がでるほど、今、若者の間にKY語なるものが氾...

 KY式日本語(大修館書店)という本がでるほど、今、若者の間にKY語なるものが氾濫しているそうだ。これは「BM=(バカ丸出し)」や「MMK=(モテてモテて困る)など、日本語の句や文節の頭文字をとってローマ字略語にしたもの。典型は「KY=(空気読めない)」。何でも前(今も?)の内閣を指して「KY内閣」という言葉がマスコミで使われたところからきているとか。
 ローマ字の発明者も、ローマ字がこんな使われ方をするとは夢にも思わなかっただろうが、不思議なものでこのパソコンの入力もローマ字入力。このKY語で言わせてもらえば、「CS=(超センスない)」言葉が今問題になっている。この4月からスタートした「後期高齢者医療制度」だ。国民から「もう死んでくれ」「そろそろ死に支度を」と言わんばかりだと、すこぶる評判が悪い。
 一方では、在日米軍駐留経費を「思いやり予算」(マスコミ語?)といいながら、この新制度は75歳からが後期なら、85歳からは末期かといわれる位、思いやりの欠片もない。たとえば、ゴルフの世界ではアマチュアは70歳からはゴールドシニアと呼ばれ、その響きは悪くない。これに倣い「ゴールドシニア医療制度」にしては…、冗談すぎるかな? しかも宙に浮いた年金で騒然となっているなかで、この制度の導入はそれこそ、CKY=(超空気読めない)!
 新制度は、国保などとは別建て。たとえば、勤め人の子供の健保に入っていた人も、強制的に新制度に移行される。保険料は年金から天引き。この仕組みは前期高齢者、いや65歳以上も同じ。勤め人時代は給与から、給与が貰えなくなったら、年金から天引きとはいかにも姑息。また、新制度は夫婦別々に保険料を払う(徴収される)というからややこしい。
 もう一つ、この4月1日から暫定税率が失効してガソリンが下がった。「ねじれ国会」の成果? 民主党は「国会史上、画期的なこと」と胸を張るが、ガソリン一つで、国会・政治が機能不全でいいわけがない。福田首相もどん詰まりになってから、一般財源化を言い出してはいかにも遅い。その上、この内閣、1年先はどうなるか分からないのに、暫定税率維持にこだわっては、まとまる筈がない。ここは環境税、いや、車より食べるものが先決、農業再生にこの税を廻すといえば、先に農家戸別補償制度を提案した民主党も否とは言えなかっただろうに。政府・与野党とも世論を気にしながら、その実、案外KYなのでは…。(駄々っ子)

(2008.04.09)