コラム

消費者の目

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【花ちゃん】
電子書籍では味わえないものは?

 ネット通販大手アマゾンの電子書籍リーダーが日本でも発売されます。電子書籍リーダーとは、電子書籍をディスプレイに表示して読むための電子機器です。最近のものだと一台の中に何千冊の書籍を保存することも可能だそうです。

 ネット通販大手アマゾンの電子書籍リーダーが日本でも発売されます。電子書籍リーダーとは、電子書籍をディスプレイに表示して読むための電子機器です。最近のものだと一台の中に何千冊の書籍を保存することも可能だそうです。インターネットに接続すれば、好きな本や雑誌を即時に購入し、端末に保存して持ち歩き、いつでもどこでも読むことができるのです。

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 本の流通に関わる人たちにとっては在庫のリスクが無くなり、取り扱う書籍のハードルが低くなると思います。
 玉石混交な状況が進み、読者は今以上に自ら本を選択する目を養う必要に迫られるでしょう。印刷物の場合は、制作に携わった人の想いが本の装丁や帯などにも滲み出ていますが、電子書籍の場合は、どこで判断したらいいのでしょう。

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 私が10代の頃は学校帰りによく立ち読みをしたものです。今でもそうだと思いますが、学生にとって本は結構値が張るものです。本屋さんもその辺りは心得ていて、学生の立ち読みはある程度容認してくれていたところがありました。電子書籍がこの優しさを取り込んでくれたら良いなと思います。

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 実用書や雑誌のように情報を消費する媒体としては電子書籍が向いていると思います。その分野では、電子書籍の利用率はある程度増えるでしょう。しかし、新しい書籍の紙とインクの匂い、ページをめくる時の紙の手触り、装丁の美しさなどリアルな出版物の持つ優しさは、今後も人々から支持され続けると思います。

(2012.11.13)