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【農林水産技術会議事務局 研究調整官】
高野 誠 氏

 7月21日、都内で開かれたシンポジウム「ここまできた!お米の研究最前線」で、新農業展開ゲノムプロジェクトについての総括を紹介した。

 イネゲノムは、日本が主導する形で2004年に完全解読を達成した。農業生物資源研究所(生物研)は、そのデータベース化や、農業に有用な遺伝子群(QTL)を同定・分離し、多収量、病害虫耐性がある、倒伏しにくい、などの特性をもった新品種開発をするために必要な技術や研究材料の開発・支援を行っている。
 高野氏はイネゲノムの解析によって、「従来の品種改良ではつくるのが難しい特性をもつ品種も、育てることができるようになった」と、その成果を紹介した。実際の活用事例として、いもち病やウンカなどの病害虫に耐性を持つイネの開発や、北海道・東北などでは耐冷性遺伝子を主力コメ品種へ導入する研究などがすすめられている。
 今後は、イネゲノム研究を参考に、大豆、麦、ソルガムなど他の穀物の品種・研究開発につなげていく考えだ。

超多収米、高い耐病性でおいしいコメなどのゲノム研究最前線

(2010.07.27)