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【JA地産地消全国協議会選任アドバイザー】
緒方 博修 氏

 「今、全国的に農産物直売所がつぶれ始めている。直売所はつくったら終わりではない。しっかり運営しなければ生き残れない」と、直売所経営の現状を語った。

 緒方氏は、農業をとりまく現状として、ワタミや7&Iなど企業の農業参入が増えていることを紹介。「7&Iは自社農場で野菜などをつくり、今後100億円ほどを自前で揃えようとしている。ワタミは農業のフランチャイズ化をすすめ、全量ワタミに直接出荷する農業者を増やしている。現在、直接仕入は4割ほどだが今後は100%を目標にしている。変り種では、JR東日本も農場を経営し、今や駅中の立ち食いソバ・うどん店のネギはほとんどが自前生産だ」という。それだけ、JAや市場からの購入が減っているという現状の中で、「直売所はこれらとの安売り合戦に参戦してはいけない。地域のプライスリーダーになるべきだ」と提言する。
 そのためにも消費者のニーズを的確に把握しなければいけない。「大型量販店では産地も確認せずに値段だけ見て安いものを買う人が、直売所に行けば少々割高でもきちんと選んで買っている」という現実から、消費型とこだわり型で二極化しており、直売所は「こだわり」の消費者に「満足」を提供することが求められると分析した。


新世紀JA研究会第9回セミナー in JAにじ

(2010.11.18)