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【宮城県気仙沼市 漁業】
畠山 重篤 さん

 畠山さんは、宮城県の唐桑半島でカキの養殖業を営んできた。25年前、水質悪化に危機感を持ち、漁師仲間とともに山に植樹をし、地域住民に森と海を一体で考えようと呼びかけた「森は海の恋人運動」が国際的に評価され今年2月、国連のフォレスト・ヒーローズに選ばれた。

 畠山さんは「森林には3つのことがある」という。1つは山の森、もう1つは海にも植物プランクトンや海藻の森があるということ。そして、3つめは、流域に住む人の心のなかの森。なかでも畠山さんがとくに大切だと説くのが「流域」の思想だ。
 畠山さんの運動によって地元の川にサケが6万尾も遡上するようになったというが、これは運動による植樹だけではなく、流域に住む人の意識が変わったからだという。
 畠山さんの漁港も東日本大震災の大津波におそわれた。しかし1か月後、再び海に生き物が戻ってきた。
 「人間がつくった建物や岸壁は壊れてしまったけれども、川と森は生きていて、森の養分が来ているから、海はあっという間に復活したということだと思います。津波の経験は大変なものでしたが、われれれのやってきた方向は間違っていなかった」と「森は海の恋人」という運動が、沿岸漁業再生の大きな基盤であり復興の礎となるとの確信を語った。


(関連記事 日本の未来を拓く「流域」の発想―「森は海の恋人」運動 25年から見えてきたこと  宮城県気仙沼市 漁業・畠山重篤さん

(2012.11.19)