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「環境・健康・教育・交流・景観」の視点で山村再生を目指す

 −林野庁 (4/25)

 林野庁は4月25日に第3回山村再生に関する研究会(座長:宮林茂幸東農大教授)を開き、山村や林業の再生と森林整備に向けた基本方針の意見交換を行った。  同研究会は林業の採算性悪化や人口の減少と高齢化などにより森林が荒廃化しているなか、豊富な資源と経済的発展の可能性を持つ山村の活性化と再生を目指して20年3月に設立された。  山村再生に向けた基本的な方向性として、「5K=環境・健康・教育・交流・景観(資源)」という5つの分野別課題を設定。それぞれの方向性から地域や行政との連携、企業・学校・NPO団体へのPR、山村再生活動のリーダーとしての人材育成と確保、マネージメント手法などの観点から具体的な山...

 林野庁は4月25日に第3回山村再生に関する研究会(座長:宮林茂幸東農大教授)を開き、山村や林業の再生と森林整備に向けた基本方針の意見交換を行った。
  同研究会は林業の採算性悪化や人口の減少と高齢化などにより森林が荒廃化しているなか、豊富な資源と経済的発展の可能性を持つ山村の活性化と再生を目指して20年3月に設立された。
  山村再生に向けた基本的な方向性として、「5K=環境・健康・教育・交流・景観(資源)」という5つの分野別課題を設定。それぞれの方向性から地域や行政との連携、企業・学校・NPO団体へのPR、山村再生活動のリーダーとしての人材育成と確保、マネージメント手法などの観点から具体的な山村再生対策について話し合った。
  分野別の課題の中では国民的に関心の高い環境、健康、教育についての意見交換が活発に行われた。
  環境分野では、森林や山村全体を研究室に見立てて新素材の開発や定住促進を図る「ラボガルテン構想」が紹介された。新しい木質バイオマスとして、木質精油とその用途を研究開発し事業化するなどの活動を森林ファクトリーと名付け、市民運動を超えたものにしていくべきだという意見も出た。
  健康や教育分野では、子どもの教育や新入社員の研修プログラムとして山村との交流を望む声が増えていることが紹介された。また森林の持つセラピー効果をうつ病患者の癒し活動に役立てたり、ニートやフリーターの体験活動や雇用対策にも活用できるのではないかという意見があった。
  その他にも森林や地域の持つ物語性をいかに経済活動や企業へのPRに役立てるか、山村と都市とを結ぶリンクパーソンの制度を作りそれだけで一つの職業となるような環境作りを目指すべきだという意見が出た。
  予定では5月中に山村再生のための主要テーマを絞込み、6月以降に具体的な対応策を決定する。

(2008.05.09)