農政・農協ニュース

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現物弁済米の売れ行き加速

 −米穀機構

 (社)米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が所有する現物弁済米の4月の入札で、2回分の合計落札数量が172.8tと、昨年4月(実施は1回)の43.2tに対し、4倍に達していたことがわかった。また、8日実施した5月第1回分では108tが落札され、1回分の落札量としては、平成19年3月販売開始以来最多だった。  売れ行きが加速しているのは、小麦粉の値上がりによる米粉の人気上昇によるもの。落札基準価格もくず米以下の水準で、国産米では一番安いとみられている。  現物弁済米は、豊作時対策として導入された集荷円滑化対策で区分出荷された米のうち、同機構からの60kg3000円の融資...

 (社)米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が所有する現物弁済米の4月の入札で、2回分の合計落札数量が172.8tと、昨年4月(実施は1回)の43.2tに対し、4倍に達していたことがわかった。また、8日実施した5月第1回分では108tが落札され、1回分の落札量としては、平成19年3月販売開始以来最多だった。
 売れ行きが加速しているのは、小麦粉の値上がりによる米粉の人気上昇によるもの。落札基準価格もくず米以下の水準で、国産米では一番安いとみられている。
 現物弁済米は、豊作時対策として導入された集荷円滑化対策で区分出荷された米のうち、同機構からの60kg3000円の融資に対して、現物で償還された米のこと。これまででは17年産米で発動され、同機構は7万5000tを所有した。生産者には融資のほかに生産者拠出金から17年産では60kg当たり4000円が支払われた。
 販売は19年3月から開始して約1割を販売、今年4月はじめの在庫は6万8000tだった。販売先は基本的に主食用、加工用米、MA米購入者以外の米粉パン、めん、ケーキなど新規用途や既存用途の純増分。販売促進のため、シリアルや米パン学校給食、船食用などにも間口が広げられている。
 5月22日に行われる次回の入札ではさらに加速が続くか、注目されている。

(2008.05.20)