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過去最高の純利益2720億円を確保

−農林中金決算(5/27)

決算発表をする上野農林中金理事長、27日。融記者クラブで。 農林中央金庫は5月27日、20年3月期決算を発表した。単体決算で、経常利益は前期比マイナス3.5%となったが3527億円と昨年11月公表の目標を達成、3期連続で3000億円台となった。 また、当期純利益は前期比7.1%増、過去最高の2720億円を確保した(連結では2768億円)。 サブプライムローン問題の影響が取りざたされたが、サブプライム関連商品での損失額は1022億円と発表。そのほかサブプライム関連商品以外の証券化商品投資での損失と国内株式関連を合わせて計2744億円の減損・引当処理が生じた。 一方、国債等債権の売却益は前期比2...

決算発表をする上野農林鋳金理事長、27日。金融記者クラブで。
決算発表をする上野農林中金理事長、27日。
融記者クラブで。

農林中央金庫は5月27日、20年3月期決算を発表した。単体決算で、経常利益は前期比マイナス3.5%となったが3527億円と昨年11月公表の目標を達成、3期連続で3000億円台となった。
また、当期純利益は前期比7.1%増、過去最高の2720億円を確保した(連結では2768億円)。
サブプライムローン問題の影響が取りざたされたが、サブプライム関連商品での損失額は1022億円と発表。そのほかサブプライム関連商品以外の証券化商品投資での損失と国内株式関連を合わせて計2744億円の減損・引当処理が生じた。
一方、国債等債権の売却益は前期比2423億円増の2635億円となったほか、貸倒引当金戻入益600億円なども前期より大きく増えて安定した利益を確保した。
自己資本比率は会員による増資などにより12.55%を達成。中核的な自己資本比率を示すTier I 比率は前期の6.97%から9.37%に上昇し、大手銀行よりも高い水準にある。
上野博史理事長は記者会見で決算で、「まれにみるストレスのかかった環境のなかで有価証券運用益の大幅な減少を余儀なくされることもあった」と述べ今後について「リスク管理を強化して、ストレス耐性の高いポートフォリオを構築していくことに一層努力しなければならない」と述べた。
農林中央金庫は、組合員・利用者の変容、リテール金融市場の競争激化などの環境下で、JAをはじめとする関係協同組合、県信連、農中の3段階が一体となった金融グループとして、組合員・利用者に信頼されわが国金融市場において確固たる地位を確保できるようグループ全体の成長戦略を強力に推進する方針。そのためリテール業務(系統信用事業)と投融資業務を経営の両翼としたビジネスモデルの発展に取り組むとしている。
今期の業績予想について上野理事長は、「米国の金利低下による資金調達コストの減少が通年で寄与すると見通しており、一定の償却を見込んだうえで、経常利益3500億円水準は達成できるのではないか」と話した。

(2008.05.28)