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第32回通常総会開く

−全国畜産経営安定基金協会 (5/29)

 (社)全国畜産経営安定基金協会(東京都千代田区、会長=宮田勇JA全中会長)は5月29日、東京・大手町のJAビルで第32回通常総会を開き、平成19年度事業報告、決算と20年度事業方針、収支予算、21年度暫定収支予算案などを承認した。また、退任した行田憲司常務理事の後任に中山篤行氏(全農推薦者、(社)全国配合飼料供給安定基金事務局長)を選任した。  20年度に取り組む事業は(1)長期平均払促進事業(2)肥育素牛導入事業(3)畜産経営維持安定特別対策事業の3つで、いずれも毎年継続して実施している。  長期平均払促進事業は、肉用牛や養豚などの畜産生産は長期にわたるので、畜産物販売価格や生産資...

 (社)全国畜産経営安定基金協会(東京都千代田区、会長=宮田勇JA全中会長)は5月29日、東京・大手町のJAビルで第32回通常総会を開き、平成19年度事業報告、決算と20年度事業方針、収支予算、21年度暫定収支予算案などを承認した。また、退任した行田憲司常務理事の後任に中山篤行氏(全農推薦者、(社)全国配合飼料供給安定基金事務局長)を選任した。
 20年度に取り組む事業は(1)長期平均払促進事業(2)肥育素牛導入事業(3)畜産経営維持安定特別対策事業の3つで、いずれも毎年継続して実施している。
 長期平均払促進事業は、肉用牛や養豚などの畜産生産は長期にわたるので、畜産物販売価格や生産資材価格の変動による農家所得の不安定化を避けるため、JAと生産者が契約して、販売額や生産資材の変動に直接影響されない所得相当額(平均払い額)をJAが生産者に月給の形で支払う仕組み。また、JAが加入農家ごとに他の事業勘定と別勘定で損益管理をするため畜産経営の改善に役立つ。JAとしては資材代金の未収固定化を防げる。さらに、農家が負債を残して経営をやめた場合、JAの損失を補償する。
 米国でのエタノール需要の急増で、世界的な穀物需給構造が変化し、飼料価格の高騰が続いており、20年度はさらに本格化する気配。畜産にとって厳しい環境が続くと想定し、長期平均払促進事業の活用を積極的にすすめる。この事業の普及推進活動を支援するため、県中央会などに活動委託費を支出したり、県中央会や全農と協力してこの事業の担当役職員を対象とした研修会などを開く。
 肥育素牛導入事業は、平均払事業を実施しているJAに対し、素牛導入資金の一部を信連を通じて1%の固定金利で供給する仕組み。JAはこの資金と系統資金を1対4の比率で調達するので、5倍強調方式と呼ぶ。加重平均すると、JAが肥育牛生産者に貸し付ける金利は全額系統資金の場合よりも下がる。
 金利の1%部分について、20年度からは対象農家を認定農家などに限定したうえで、その飼養頭数規模に応じて金利を2段階に分け、大規模農家向けには1%、小規模農家には0.5%にする。このため、小規模農家にとっては、これまでより有利になる。今年度はこの新たな事業の仕組みを周知徹底させ、参加農家や新規実施JAの拡大をはかることにした。
 畜産経営維持安定特別対策事業は、BSEなどの発生により経済的に打撃を受けた畜産経営の維持安定に必要な資金を円滑に融通できるようにするもので、農業信用保証保険制度での機関保証を支援する。

(2008.06.03)