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「日本のお茶を守ろう」消費減と原油高でピンチ

−茶生産団体が緊急アピール

 急須でいれるお茶(リーフ茶)の消費減少と原油高で茶生産農家は存亡の危機にあるとしてJA全農など25団体でつくる全国茶生産団体連合会は7月17日の総会で「日本のお茶を守ろう−全国10万茶生産農家の叫び」という次の緊急アピ−ルを採択した。  需要減で茶の生産者価格は大幅に下落。一方、原油高に加え肥料などの生産資材価格が上昇し、農家はお茶作りの断念か離農を余儀なくされている。  生産者の決意としては▽ひるまず、あきらめず、ここで踏ん張っておいしいお茶作りに励む▽自らセールスマンになってあらゆる人に呼びかける「リーフ茶を飲もう運動」に取り組む▽さらなる経費節減に努めるーことな...

 急須でいれるお茶(リーフ茶)の消費減少と原油高で茶生産農家は存亡の危機にあるとしてJA全農など25団体でつくる全国茶生産団体連合会は7月17日の総会で「日本のお茶を守ろう−全国10万茶生産農家の叫び」という次の緊急アピ−ルを採択した。
 需要減で茶の生産者価格は大幅に下落。一方、原油高に加え肥料などの生産資材価格が上昇し、農家はお茶作りの断念か離農を余儀なくされている。
 生産者の決意としてはひるまず、あきらめず、ここで踏ん張っておいしいお茶作りに励む自らセールスマンになってあらゆる人に呼びかける「リーフ茶を飲もう運動」に取り組むさらなる経費節減に努めるーことなどをしめした。
 消費者には日本の気候風土に育まれたお茶を是非とも急須でいれてご賞味を心を癒して飲むには何といっても「リーフ茶」、もちろん水でもおいしくいれられるーと訴えた。
 政党、政府には農業用化石燃料と肥料などの価格を下げる対策を講じる▽抜本的な省エネ型製茶機械の開発ーなどを要請した。
 同連合会は茶農協、県経済連、茶業連合会、茶業会議所、生産組合などからなり、生産農家数は約10万。
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 お茶の消費量を見ると、昭和50年の1世帯当たり購入量は1918gだったが、平成19年には1028gに落ち込んでいる(総務省家計調査年報)。
 また生産者価格(煎茶の年平均荒茶価格)は平成5年の1kg当たり1965円に比べ、19年には1740円と低下した(全国茶生産団体連合会調べ)。
 今年の一番茶価格は静岡茶市場で1kg2008円、これは昨年の88%だった。鹿児島茶市場では87%に低下した。
 一方、A重油の値上がり率を県別に見ると、鹿児島の場合は17年に比べて今年は275%、三重は267%、熊本は245%(全国茶生産団体連合会会員・調査時期は概ね一番茶期)。
 肥料価格の上昇は三重県の場合同じ期間の比較で茶配合(20kg)が150%、菜種粕が161%(同連合会会員調査)となっている。

(2008.07.23)