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「世界をどう養うか」食料高騰で検討課題を提起

−農業経済学会が来春にはシンポ

 食料価格の高騰問題は先の「洞爺湖サミット」でも取り上げられたが、多くの問題が残され、今、何をなすべきかという点はあいまいなままである−−として日本農業経済学会は7月31日、常務理事会としての意見表明と、当面の行動計画を発表した。  意見表明は、食料高騰問題の本質をよく理解した上で行動プランを作成するためには2つの基本論点を検討することが喫緊の課題であるとした。  第1に、バイオ燃料生産は経済的、環境的、資源的にみて持続可能なのかという問題を検討すること。地球はどのようにして世界を養うべきかという答えを出すには、それが不可欠であると指摘した。  第2に、食料...

 食料価格の高騰問題は先の「洞爺湖サミット」でも取り上げられたが、多くの問題が残され、今、何をなすべきかという点はあいまいなままである−−として日本農業経済学会は7月31日、常務理事会としての意見表明と、当面の行動計画を発表した。
 意見表明は、食料高騰問題の本質をよく理解した上で行動プランを作成するためには2つの基本論点を検討することが喫緊の課題であるとした。
 第1に、バイオ燃料生産は経済的、環境的、資源的にみて持続可能なのかという問題を検討すること。地球はどのようにして世界を養うべきかという答えを出すには、それが不可欠であると指摘した。
 第2に、食料問題は途上国の貧困者問題と密接に絡んでいるが、どこまで踏み込んで考えるのか。すでに国際機関などで主張されている「人権としてのフードセキュリティ」という理念の共有に向けて踏み出すことが求められている。
 以上の検討を踏まえ、バイオ燃料への補助の是非、農産物への投機に対する規制、貿易ルール、穀物の国際備蓄などについて議論し行動計画を具体化する必要があるとした。
 意見のタイトルは「食料価格高騰問題に対するサミット声明と日本農業経済学会」。
 学会としての行動計画は来年3月の日本農業経済学会大会で「世界的食料価格高騰と日本農業」(仮題)をテーマにシンポジウムを開き、徹底的に議論する。 また「世界的食料価格高騰と東アジアの農業」という日中韓共同シンポジウムを開き、国際的視点から議論する。
 さらに研究成果を公表すると同時に、日本農業のあり方も含めて、政策提言をする。
 意見表明は「昨今の国際的な食料需給の混乱を深く憂慮する」として前段では「このような状況は、地球環境問題や原油価格暴騰への対応からくる穀物のバイオ燃料利用拡大、新興国食料需要の急増、気候変動による生産のリスクと不確実性増大、穀物市場への投機資金の大量流入など、近年新たに登場した諸要因が複雑に絡み合って作り出されたものである。世界の食料需給はこれまでとは違った局面に入ったと理解すべきである」と述べている。
 同学会の会長は東京大学・院農学生命科学研究科の泉田洋一教授。

(2008.08.05)