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可食部分の廃棄年間500万トン以上、食品ロス削減に検討会開く

−農水省 (8/8)

 わが国で食品関連事業者や家庭から排出される食品廃棄物は年間1900万t(平成17年度)と推計され、このなかには本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品がふくまれている。農産物価格の高騰など食料需給がきびしくなるなかで、食料自給率を引き上げていくためには、食品ロスを改善することが重要だとして、農水省は総合食料局に食品ロスの削減に向けた検討会を設置(座長:牛久保明邦東京農業大学食料情報学部教授)し、8月8日第1回目の検討会を開いた。委員には食品製造会社、外食事業会社、製菓会社、食品卸業社、消費者代表などが参加している。  総合食料局の推計では、日本で年間に人間の食用に向けられる...

 わが国で食品関連事業者や家庭から排出される食品廃棄物は年間1900万t(平成17年度)と推計され、このなかには本来食べられるにもかかわらず捨てられている食品がふくまれている。農産物価格の高騰など食料需給がきびしくなるなかで、食料自給率を引き上げていくためには、食品ロスを改善することが重要だとして、農水省は総合食料局に食品ロスの削減に向けた検討会を設置(座長:牛久保明邦東京農業大学食料情報学部教授)し、8月8日第1回目の検討会を開いた。委員には食品製造会社、外食事業会社、製菓会社、食品卸業社、消費者代表などが参加している。
 総合食料局の推計では、日本で年間に人間の食用に向けられる食品資源約9000万tのうち、廃棄物となる量は1900万t。このうち500〜900万tは家庭や外食で食べ残されたり店で売れ残ったりして、食べられるものが捨てられているという。
 食品関連事業者からの食品廃棄物の年間発生量のうち、製品・商品となったもので売れ残りや返品が原因で廃棄された量は、食品製造・卸業、小売業で約94万t。また、家庭・外食での食品ロス率は平成18年度で3.7%、過剰除去がもっとも高く、食べ残し、食べずに直接廃棄などの順になっている。家庭での食品廃棄物は鮮度の低下、腐敗、カビの発生、消費期限・賞味期限が過ぎたためなどで、食品の未使用による廃棄が多い。
 平成12年に制定された食品リサイクル法では、外食事業者に食品廃棄物の発生抑制や飼料、肥料への再利用を義務づけているが、どうしたら捨てずにすむか、家庭をふくめた可食部分のロス削減方法をさぐるのが検討会のねらいだ。
 検討会での主な意見は次のとおり。
食品ロスは価格ロスにもなる。コンビニなどで早めに捨てる場合は、消費期限内に有効利用する方法があるのではないか。
スーパーの利益に直結する問題。気温、天気で販売量が大きく変わる。発注は予測でするので、ロス縮減のシステムが欲しい。食品の3割程度は捨てるので、廃棄コストが高く、経営を圧迫している。
需要予測にもとづき在庫管理をしているが、売れ行きの波が大きい。余れば捨てるので、いかに無駄を省くかが課題(製造メーカー)。
客が来た時に在庫がないというチャンスロスを防ぐための発注が、売れずに廃棄ロスにつながるケースもある。廃棄ロスを減らしつつ、チャンスロスをなくすのが課題(コンビニ)。
菓子でも消費期限が過ぎれば捨てる。鮮度志向と賞味期限のあり方は大切な問題(消費者代表)。
販売店では売り場面積が固定されているので、新製品が出れば消費期限内でも既存品を返品して展示するのが実態。また、少量で無駄のないものを選べる商品づくりが必要だ。1l入りしょう油より500ml入りの方が使い切るまでの間の鮮度がよい(食品卸)。
惣菜の鮮度競争が激しい。賞味期限を短くする方向ですすんでいる。価格を下げて売り切ることも(惣菜業界)。
牛丼チェーン店全体の食品残さをグループ内で一括処理、飼料に再生している。牛丼の煮鍋にたまる牛脂は洗剤に加工し、全店で使用(牛丼チェーン)。
                          ◇      
 農水省は検討会を今後4回程度開く。10月末には論点整理をおこない、施策の検討に反映させることにしている。

(2008.08.12)