農政・農協ニュース

農政・農協ニュース

一覧に戻る

食品価格転嫁は消費者に受け入れられにくい

−農林公庫調査
(8/22)

 農林漁業金融公庫は、原材料高騰による食品業界のコスト増加にともなう価格転嫁の状況について、今年7月1日時点で調査した結果を8月22日に公表した。調査対象は全国の食品製造業者、卸売業者、小売店、飲食店6896社で、2424社(35.2%)から回答を得た。  これによると、食品産業全体では99.9%の企業でコストが増えている。増加率は対前年比24.3%で、前回調査での対前年度比10.1%アップに比べ半年で12.9%値上がりしていることになり、コスト上昇が止まらないことがわかる。特にコストが上がっているのは、製造業の油脂(57.0%)、製粉(34.5%)、糖類(33.1%)など。 ...

 農林漁業金融公庫は、原材料高騰による食品業界のコスト増加にともなう価格転嫁の状況について、今年7月1日時点で調査した結果を8月22日に公表した。調査対象は全国の食品製造業者、卸売業者、小売店、飲食店6896社で、2424社(35.2%)から回答を得た。
 これによると、食品産業全体では99.9%の企業でコストが増えている。増加率は対前年比24.3%で、前回調査での対前年度比10.1%アップに比べ半年で12.9%値上がりしていることになり、コスト上昇が止まらないことがわかる。特にコストが上がっているのは、製造業の油脂(57.0%)、製粉(34.5%)、糖類(33.1%)など。
 コストアップをなんらかの形で価格転嫁した企業は食品産業全体で65%だった。価格転嫁の平均値は8.9%で、コストアップ分の3分の1程度。製造業は10.1%、卸売業は6.9%、小売店は6.6%、飲食店は4.1%だった。コスト増加分のすべてを価格転嫁しきれない理由で最も多かったのは、製造業と卸売業では「取引先に決定権があるから」。また、小売業は「同業者との横並び」をあげ、価格競争の激しさがうかがえる。飲食店は他に客がうばわれるなどで「値上げは難しい」としている回答が多い。
 消費者が受け入れる値上げ幅は、同公庫の消費者調査によると、平成20年1月時点に比べ5月時点では全業種でやや増えているものの、食品産業側が想定している受け入れ可能と思われる率よりは低く、価格転嫁は消費者に受け入れられにくい状況であることを示している。

(2008.08.25)