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農業の国内生産額は減少 食品工業や関連流通業は増加

−18年度の関連産業経済計算

    農業・食料関連産業の国内生産額は前年度より0.3%増加して102兆5602億円となり、引き続き全体の約1割を占め、日本経済の中で一大産業分野を形成していると、農水省は平成18年度の経済計算(速報)を8月29日発表した。    うち農業の国内生産額は約9兆7000億円で、前年度比1.5%の減少。これはピークだった昭和60年度生産額の約70%に当たる。要因はコメの生産量減少と価格の低下だ。しかし果実、野菜などの国内生産額は増加した。     食品工業や関連流通業の生産額は...

    農業・食料関連産業の国内生産額は前年度より0.3%増加して102兆5602億円となり、引き続き全体の約1割を占め、日本経済の中で一大産業分野を形成していると、農水省は平成18年度の経済計算(速報)を8月29日発表した。
    うち農業の国内生産額は約9兆7000億円で、前年度比1.5%の減少。これはピークだった昭和60年度生産額の約70%に当たる。要因はコメの生産量減少と価格の低下だ。しかし果実、野菜などの国内生産額は増加した。

    食品工業や関連流通業の生産額は増加したが、農業で落ち込み、関連投資も減少したため、食料関連産業を含めた全体の国内生産額はほぼ横ばいとなった。
    国内生産額から、中間投入(生産に要した財やサービスの費用)を差し引いた国内総生産(GDP)は48兆5000億円で前年度比0.03%減。うち農業は4兆7000億円で3.4%減。
    国内生産額の減少に加え原油高や資材の値上がりから中間投入の割合が増えて農業総生産は減少した。
    農業と食料関連産業の国内生産額の約1割は農業が占めているが、さらに農業を部門別に見ると、うち約6割を占める耕種部門が前年度比2.2%減少して約6兆2000億円。約3割を占める畜産部門がほぼ前年並みで約3兆円となった。
    内訳はコメが6.6%減の約1兆9000億円酪農は生乳生産量の減少と価格低下から3.1%減の約9400億円果実は低温・小雨などで生産量は減ったが、特にミカンなどの価格が上がって3.8%増の7800億円野菜も低温などで生産量は減ったが、価格が上がり1.3%増の約2兆600億円となった。
    一方、関連製造業の生産額は農業・食料関連産業全体の約4割と最大の割合。関連製造業の中では食品工業の生産額が9割強。
    内訳は酒類は増税の価格転嫁が一律でなかったことから価格が低下。またビール、発泡酒、清酒などの需要が減って3%減の約3兆9400億円▽めん・パン・菓子類は0.8%減って約4兆8600億円たばこは需要減だが、生産額は約7%増えて約2兆5500億円▽そう菜・すし・弁当は中食がの需要増加から2%増の約2兆7100億円。

(2008.09.02)