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東大附属農場、使用禁止の水銀剤使う

〜米の一部は一般市民に販売
(10/3)

 東京大学は10月2日、同大大学院農学生命科学研究科附属農場(東京都西東京市)で、禁止されている有機水銀剤(酢酸フェニル)を使用していたと発表した。  平成9年から11年にかけて毎年1回4月に、実習田(約30a)に播く前の種モミの消毒に水銀剤を使用。収穫された米は農場で一部消費されたものを除き、一般市民に販売された。購入者は特定不可能という。また、平成16〜20年度に研究用田(約10a)の種モミの消毒に水銀剤を使用、生産されたモミは研究用で使用した後、全て廃棄したという。  平成18年12月上旬に、柿の苗木約20本の根の消毒に水銀剤を1回使用。この苗木はまだ実をつけてい...

 東京大学は10月2日、同大大学院農学生命科学研究科附属農場(東京都西東京市)で、禁止されている有機水銀剤(酢酸フェニル)を使用していたと発表した。
 平成9年から11年にかけて毎年1回4月に、実習田(約30a)に播く前の種モミの消毒に水銀剤を使用。収穫された米は農場で一部消費されたものを除き、一般市民に販売された。購入者は特定不可能という。また、平成16〜20年度に研究用田(約10a)の種モミの消毒に水銀剤を使用、生産されたモミは研究用で使用した後、全て廃棄したという。
 平成18年12月上旬に、柿の苗木約20本の根の消毒に水銀剤を1回使用。この苗木はまだ実をつけていない。平成19年2月にはリンゴ苗木2本の根の消毒に水銀剤を使用。リンゴは食用種ではないという。
 この発表を受け、農水省は10月2日、農薬取締法第13条の規定にもとづき同農場に立ち入り検査をおこなった。農薬の購入日時が不明で、保管していた農薬の種類や数量も管理されていないなど保管管理が適切におこなわれていなかった。また、実習用に使用した水銀剤の残液を不適切に土壌に廃棄していたこともわかった。同大は農場長や教職員全員からヒアリングを行い、詳細な事実関係を確認中。また、人体への影響可能性の有無の確認、生産物の水銀残留検査、土壌分析などを外部機関に依頼している。
 農水省は10月3日付で東京大学総長に対し報告命令を出した。また、同様の事例の再発を防ぐため、農薬を使用する可能性のあるほ場を持つ教育機関等に対し、農薬登録のための試験などに使用する以外には使用禁止農薬を使用しないなどの指導通知を出した。
 東京大学は2日、健康相談などの窓口を農学系事務部総務課に設置した。

(2008.10.07)