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MA米検査マニュアル策定〜工業用のり向けの売却はやめる

 MA米の事故米の横流し問題を受け、農水省は政府所有米穀の検査マニュアルを策定し10月10日、同日付で施行したと公表した。また、輸入段階で基準値を超える農薬やカビ毒が検出された場合は返送か廃棄し、国内の倉庫でカビが生えたり、痛みがひどいものは廃棄することを既に決めているが、痛みが浅いものは今後飼料用のみに販売し、工業用のり向けの売却はやめると発表した。  これまで統一的な検査マニュアルがなく、農政事務所がバラバラに対応してきたことが今度の事件の原因の一つにあるとして、販売と検査を分離し、横流れ防止のためのマニュアルとした。食糧法第52条にもとづく立入検査を定期的、随時に抜き打ちでお...

 MA米の事故米の横流し問題を受け、農水省は政府所有米穀の検査マニュアルを策定し10月10日、同日付で施行したと公表した。また、輸入段階で基準値を超える農薬やカビ毒が検出された場合は返送か廃棄し、国内の倉庫でカビが生えたり、痛みがひどいものは廃棄することを既に決めているが、痛みが浅いものは今後飼料用のみに販売し、工業用のり向けの売却はやめると発表した。
 これまで統一的な検査マニュアルがなく、農政事務所がバラバラに対応してきたことが今度の事件の原因の一つにあるとして、販売と検査を分離し、横流れ防止のためのマニュアルとした。食糧法第52条にもとづく立入検査を定期的、随時に抜き打ちでおこない、検査拒否に対しては強制検査をする。
 政府は今後、加工用、飼料用の販売先の会社名と数量を販売の都度ホームページ上で公表する。また、販売先へはこれまで加工処理計画のみを提出させていたが、今後は販売先から毎月仕入・加工・販売実績データを統一様式で報告させる。これまでは売買契約にもとづく加工への立会や任意の立入調査がほとんどで、二重帳簿を見抜けなかったため、立入検査の手順を明確にし、チェック項目・方法を統一的に明示した。政府の販売先から買い受けた業者からも報告を受け、チェックする。
 検査担当官は統一様式にもとづく報告書を作成し、地方農政事務所、地方農政局で審査し、本省に報告させる。問題がある場合は、本省や関係省庁、地方公共団体へすみやかに連絡することをルール化した。MA米の販売先は全国で合計973業者あり、1年1回の立入検査をした場合、最低1事務所当たり20回になる。
 総合食料局食糧部の枝元計画課長は「マニュアルは作っただけでは完璧でない。農政事務所、農政局に十分理解させ、研修会で検査官の能力を高めてしっかりした体制作りを急ぐ」と話した。

(2008.10.15)