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政府買い入れ36道府県が対象

−全国作況は「102」

    農水省が10月30日に公表した20年産水稲の作況指数(10月15日現在)は前回(9月15日現在)と変わらず全国で「102」となった。    作付け面積は162万4000haで前年産にくらべて4万5000ha減少した。10aあたりの予想収穫量は543kgで全国の予想収穫量は881万5000tが見込まれる。    作付け面積のうち主食用は159万6000ha。主食用の予想収穫量は865万8000tが見込まれている。    食糧部計画...

    農水省が10月30日に公表した20年産水稲の作況指数(10月15日現在)は前回(9月15日現在)と変わらず全国で「102」となった。
    作付け面積は162万4000haで前年産にくらべて4万5000ha減少した。10aあたりの予想収穫量は543kgで全国の予想収穫量は881万5000tが見込まれる。
    作付け面積のうち主食用は159万6000ha。主食用の予想収穫量は865万8000tが見込まれている。
    食糧部計画課によると、食料品価格全般の値上げを背景に米の消費は拡大しており、19年7月から20年6月までの1年間の消費量は855万tと昨年11月時点の需要見込みより22万t増えている。このため今年7月から来年6月までの需要量についても855万t程度と見込み、約866万tの20年産主食用収穫量との差、11万tを集荷円滑化対策によって適切に処理されれば大幅な需給緩和の事態にならないとしている。
    集荷円滑化対策は県、地帯別作況が101以上の地域が対象となる。20年産では36道府県、96地帯が対象となる。一方、政府米在庫は10月末現在で約89万t。農水省は集荷円滑化対策の仕組みを利用して区分集荷された米を政府買い入れする。買い入れ価格は米価格センター落札価格や相対取引価格などを参考にする。集荷円滑化対策の加入率は約67%でこれをもとに算定した結果、政府買い入れ数量は11万tとなる見込み。対象となる地域でJA等が区分集荷を行い、来年2月ごろに買い入れが行われる見込みだという。
    20年産の主食用生産目標数量の面積換算値は154万2000haだったが、作付け面積は5万4000haオーバーした。19年産では過剰作付けが約7万haだったことからすると、過剰面積は減少したが、生産調整目標としては5割の達成にとどまった。生産調整の推進については昨年末の見直しで行政の関与を強めることとされた。この結果について、農水省は「状況を真摯に受け止めなければならない」とし、米以外の作物の作付けが難しい地域もあることなどから「水田のフル活用に向けて新規需要米の生産など行政、団体関係者が一体となった取り組みが必要になる」としている。

20年産水稲の作況指数

(2008.11.07)