農政・農協ニュース

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第14回「JAグループ自動車事業セミナー」開催

−農流研

講演する橋本部長     (社)農協流通研究所は、10月30日〜31日の両日、豊島区南大塚の「ホテルベルクラシック東京」において、第14回「JAグループ自動車事業セミナー」を開催した。 ◎講演・事例紹介内容は次の通り。 (30日) ・酒井雅彦氏「自動車整備事業の現状と課題」(講演:国土交通省自動車交通局技術安全部) ・柳生宜秀氏「自動車整備業界を取り巻く環境の変化とめざすべき整備工場のあり方〜オアシス事業場を目指して〜」(講演:(社)日本自動車整備振興会連合会前常務理事) ・大久保誠氏「自動車流通業界の勝ち残り戦略」(事例紹介:(株)カーポイントホール...

講演する橋本部長
講演する橋本部長

    (社)農協流通研究所は、10月30日〜31日の両日、豊島区南大塚の「ホテルベルクラシック東京」において、第14回「JAグループ自動車事業セミナー」を開催した。
講演・事例紹介内容は次の通り。
(30日)
・酒井雅彦氏「自動車整備事業の現状と課題」(講演:国土交通省自動車交通局技術安全部)
・柳生宜秀氏「自動車整備業界を取り巻く環境の変化とめざすべき整備工場のあり方〜オアシス事業場を目指して〜」(講演:(社)日本自動車整備振興会連合会前常務理事)
・大久保誠氏「自動車流通業界の勝ち残り戦略」(事例紹介:(株)カーポイントホールディングス代表取締役会長)
(31日)
・橋本昌憲氏「自動車業界の環境車取組み現状と三菱自動車工業(株)の対応について」(講演:三菱自動車工業(株)CSR推進本部環境技術部長)
・牧田正一路氏「顧客満足経営を考える〜ハーレーダビッドソンのライフスタイルマーケティング〜」(講演:(株)インテリジェンス・アライアンス)。
    大気汚染への対応、地球温暖化への対応、石油依存からの脱却を目指し、あらゆる産業分野において、国、自治体、団体、企業、総ぐるみで、環境対策やクリーンエネルギー対策に取り組んでいるが、自動車業界の現状はどうなのか。31日に行われた三菱自動車工業(株)の橋本部長の講演は、多くの示唆に富むものだった。概要は次のとおり。


    先の北海道・洞爺湖サミットの合意事項では、2050年までに世界全体の温暖化ガス排出量を少なくとも50%削減することを掲げた。中期目標の温暖化ガス排出量規制では、日本は2020年に2005年比14%削減を示した。EUは2020年に1990年比20%削減を提示するなど、積極的だが、米国は2025年までに排出量をピ−クアウトする、と後ろ向きな姿勢を見せた。
    次世代エネルギー車としては、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)、バイオ燃料車(FFV)などがある。
    その中で、大気汚染対策、CO2排出量低減、石油依存度低減、燃料の入手性など、いずれも電気自動車が優れているが、充電時間が長いこと、走行距離が短いこと、車両価格が高いこと、などの短所がある。
    三菱自工では、北海道・洞爺湖サミットに関連したイベントで、同社のEV車を使い「CO2削減 EV洞爺湖キャラバン」を行ったが、東京プリンスホテル前をスタートし、洞爺湖まで7日間で860kmを走破した。走行にかかった電気代は1700円(ガソリン車だと1万円)、CO2排出量は、約35kg(ガソリン車だと約175kg)と、圧倒的な環境性を示した。
    現状では1回の充電で140kmの走行が可能だ。公営駐車場やイオンのショッピングセンターなどに設置されている急速充電器を使えば、1回の充電が30分でできる。しかし現状では、急速充電器の設置ヵ所があまりにも少ないという。
    家庭のコンセントからも充電できる利便性はあるが、一般家庭の通常の100Vコンセントでは充電に14時間、200Vに付け替えても7時間かかるなどの問題点もある。
    ただ技術革新により、2020年には性能が3倍、コストが1/10倍という目標数値もある。低価格で高性能の電気自動車の登場は、近未来の実現可能な夢であるだろう。

 

(2008.11.10)