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国産大豆需要、2〜3割増見込む業種も

−大豆加工業界

    国産大豆に対する業界の意向調査結果によると、今後3年間の国産大豆需要は豆腐で2割、納豆では3割増えると見込んでいることなどがわかった。農水省が11月10日開いた国産大豆協議会で報告された。    日本豆腐協会、全国豆腐油揚商工組合連合会は、平成19年に約50万tの大豆が豆腐用に使用され、このうち国産大豆は約2割と見る。3年後には2割程度増えると見込んでいる。現在20万t弱の国産出回り量が30万tになればと期待しているという。    輸入大豆と比べ国産の優れている点は、...

    国産大豆に対する業界の意向調査結果によると、今後3年間の国産大豆需要は豆腐で2割、納豆では3割増えると見込んでいることなどがわかった。農水省が11月10日開いた国産大豆協議会で報告された。
    日本豆腐協会、全国豆腐油揚商工組合連合会は、平成19年に約50万tの大豆が豆腐用に使用され、このうち国産大豆は約2割と見る。3年後には2割程度増えると見込んでいる。現在20万t弱の国産出回り量が30万tになればと期待しているという。
    輸入大豆と比べ国産の優れている点は、消費者が国産は安心、安全のイメージを持つことや、糖分が輸入品より多い品種は味覚的においしく感じる点など。国際的な大豆の高騰で、国産に頼る面もあるようで、価格安定を望んでいる。反面、豆腐用に適した品種は九州フクユタカ、北陸エンレイしかなく、品種開発や品質の改良を望む声が強いという。
    全納連(全国納豆協同組合連合会)は、業界の平成19年産の大豆使用量は約13万tで、このうち国産は6〜7%と見込む。今後3年間で、平成19年産対比で3割増との見通しだ。多少価格は高くても安定供給を望む声が強い。
    煮豆などの全国調理食品工業協同組合は、平成19年の大豆使用量は3万t。国産が9割を占める。国産は粒が大きい、味が良いなどで煮豆に向き、使用量は今後1〜2割増えそう。価格は60kg当たり1万2000円程度で安定させて欲しいとの要望も。
    日本醤油協会は、醤油に使用する大豆は20万5000tと見込んでいるが、このうち国産は2%程度。今後、こだわり醤油の製造用に、国産需要はやや増えそうだという。
    全国味噌工業協同組合連合会は、平成19年の大豆使用量13万7000tのうち国産は6%程度と見込む。中国産を敬遠して国産に切り替えるメーカーが出ており、今後1.5割増を見込んでいる。同連合会が行う全国鑑評会での入選作品は、国産大豆使用のものという。
    全国きな粉工業会は、平成19年の大豆使用量を約1万8000tと見込む。このうち国産は35%。中国産を敬遠し、全量国産へ切り替えるメーカーもある。洋菓子への使用、牛乳飲料に使用など、新商品開発が進んでいて、国産は今後1割程度増えると見る。有機大豆を希望するメーカーもあるという。
    全国穀物商協同組合連合会は、平成19年の大豆使用量は95〜100tで、このうち国産は18%としている。国産は今後毎年1割増えると予想、平成19年産対比で3年後は3.5割増と見ている。

(2008.11.13)