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地域ぐるみの振興作物や販路確保などを支援

−耕作放棄地対策研究会が中間まとめ

    増える一方の耕作放棄地をどう再生・利用するかを議論していた農水省の耕作放棄地対策研究会は11月11日、米粉・飼料用米や麦・大豆などの作物を導入し、その生産拡大を支援することによって再生を促すという提言などを盛り込んだ中間とりまとめをした。概要は10月はじめに整理した骨子に沿っている。    同研究会(座長=三野徹京都大学名誉教授)は今年7月に設置。今回で役割を終わったため中間まとめは最終まとめを兼ねる。    同省は今後、これに沿った施策を具体化し、平成23年度を目途...

    増える一方の耕作放棄地をどう再生・利用するかを議論していた農水省の耕作放棄地対策研究会は11月11日、米粉・飼料用米や麦・大豆などの作物を導入し、その生産拡大を支援することによって再生を促すという提言などを盛り込んだ中間とりまとめをした。概要は10月はじめに整理した骨子に沿っている。
    同研究会(座長=三野徹京都大学名誉教授)は今年7月に設置。今回で役割を終わったため中間まとめは最終まとめを兼ねる。
    同省は今後、これに沿った施策を具体化し、平成23年度を目途に耕作放棄地の解消を図っていく。
    解消策のポイントはやはり農家手取り。これに関わって、まとめは「導入作物の検討や販路の確保は極めて重要」とし、米粉・飼料用米などの生産拡大支援を挙げた。

◆取り組み主体は多様

また地域ぐるみの振興作物選定を促すこと、さらに資材・機材などの初期投資や導入作物の適正確認などを一定期間支援することなどを検討する必要もあると提言した。こうした施策は食料供給力強化の観点からも重要とした。
    「解消に取り組む主体」としては都道府県市町村をはじめJA、担い手などの農業者のほか地域住民、NPO法人、都市住民まで多様な主体を想定した。
    放棄地の復旧後にこれを「利用する主体」についても新規就農者、定年帰農者や集落組織のほか市民農園や教育ファームなどを運営する市町村、NPO法人などを列挙した。

◆ネットワークで協働

そして、これらの主体がネットワークを構成し、協働によって導入作物の検討や販路確保、地産地消にかかる消費者との連携や土地条件の回復などに地域ぐるみで取り組んでいくことが重要とした。
    耕作放棄地解消運動を全国展開する必要もあり、地域の取り組みを支援する施策の展開として手引き書の作成や優良事例のとりまとめなども提起した。
    これまでも対策としては農業経営基盤強化促進法の改正中山間地域等直接支払制度農地・水環境保全向上対策担い手等への農地集積や新規参入の促進などが行われてきた。
    しかし農用地区域内の耕作放棄地面積は17年で12.5万haとなっており、現状では解消の取り組みは全国的に普遍的に展開するには至っていないとした。

(2008.11.14)