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概ね10年後に食料自給率50%めざす 基本計画見直しに来年1月着手

−農水省

    農林水産省は概ね10年後の平成29年にカロリーベースの食料自給率を現在の40%から50%に引き上げることを目標に掲げ、そのための「食料・農業・農村基本計画」の見直しに来年1月から着手する。石破農相が12月2日明らかにした。    同省が示した自給率50%イメージでは自給率引き上げの柱となるのは米・麦・大豆だ。    米の消費が19年度には昭和37年以降初めて増加に転じたことを受け、現行基本計画の目標(27年度)一人あたり年62kgを63kgとした。また、米粉の生産拡大...

    農林水産省は概ね10年後の平成29年にカロリーベースの食料自給率を現在の40%から50%に引き上げることを目標に掲げ、そのための「食料・農業・農村基本計画」の見直しに来年1月から着手する。石破農相が12月2日明らかにした。
    同省が示した自給率50%イメージでは自給率引き上げの柱となるのは米・麦・大豆だ。
    米の消費が19年度には昭和37年以降初めて増加に転じたことを受け、現行基本計画の目標(27年度)一人あたり年62kgを63kgとした。また、米粉の生産拡大をはかり現在の1万トンから小麦輸入量の1割にあたる50万トンを目標とした。
    飼料用米は26万トンをめざす。米粉や飼料用米の生産は調整水田や地力増進作物作付け地への作付けを20万ha見込んでいる。
    小麦は裏作麦の生産を拡大し19年度91万トンを180万トン、大豆は同23万トンを50万トンに増やすことをめざす。麦の裏作は19年度5万haだが36万haに拡大するイメージ。達成されれば大豆、小麦生産量は現行計画目標を2倍以上上回る生産となる。
    こうした取り組みの強化に加えて、野菜、牛乳・乳製品などは現行基本計画目標の実現をめざし、カロリーベースで合計10%の引き上げとなるとしている。
    この目標を実現するための農地面積は462万haとした。現行計画では450万haだが、転用規制の強化や耕作放棄地から10万haの営農再開などの取り組みで農地を維持・確保していくとしている。耕地利用率も現行計画105%を上回る110%とした。
    農水省はこうしたイメージを提示して来年1年間で徹底的に議論する方針で、基本計画の見直しにあたって今月から意見募集を行うほか、農水省幹部や担当職員が現場に出向き声を聞くことにしている。それらをふまえ検討項目を公表、来年1月末、食料・農業・農村政策審議会に諮問し議論する。
    食料自給率目標についてはカロリーベースのほか金額ベースなどもあり、食料の安定供給指標として何が適切かも議論されることになる。また、今回の見直しでは農地面積、担い手、技術開発についても確保目標を示す方針だ。

○基本計画見直しスケジュール
20年12月 基本計画見直しについての意見募集開始
現場の実態・施策ニーズの把握(〜1月)
21年 1月 基本計画見直し検討項目の公表(1月末)
食料・農業・農村政策審議会に諮問(1月末)
22年    審議会から答申
基本計画決定(閣議決定)

(2008.12.04)