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農業のあり方など検討委員会設置を提案

−日本生協連「全国政策討論集会」(1/15〜16)

山下俊史会長はあいさつのなかで、農水省が募集をしている「食料・農業・農村基本計画」の見直しに関するパブリックコメントに応じて意見書を提出(別掲記事参照)したことを明らかにした。そのうえで、今後さらに踏み込んだ議論が求められるので、日本生協連に農業問題を検討する委員会を設置することを表明した。  そこでは、生協自身の農業参入も視野にいれながら、自給力を高めるために、生協として何ができるのか、担い手を育成するためにどうするかという問題から、会員生協が勧めている産直やJAグループとの提携関係の評価など踏み込んだ議論をしていくとした。  この討論集会は毎年この時期に開催され、4...

山下俊史会長はあいさつのなかで、農水省が募集をしている「食料・農業・農村基本計画」の見直しに関するパブリックコメントに応じて意見書を提出(別掲記事参照)したことを明らかにした。そのうえで、今後さらに踏み込んだ議論が求められるので、日本生協連に農業問題を検討する委員会を設置することを表明した。
 そこでは、生協自身の農業参入も視野にいれながら、自給力を高めるために、生協として何ができるのか、担い手を育成するためにどうするかという問題から、会員生協が勧めている産直やJAグループとの提携関係の評価など踏み込んだ議論をしていくとした。
 この討論集会は毎年この時期に開催され、4月以降の生協陣営の基本的な活動方向が提起される。今年も「08年度活動のまとめと09年度活動方針の基調」が報告されたが、08年度については牛肉コロッケ原料偽装、鳴門わかめ産地偽装、中国産ギョーザ中毒事故など商品事故、そして9月以降の世界的金融危機からの景気後退が重なり、個配事業は前年比4%ほど伸びているものの無店舗事業はほぼ横ばい、店舗事業は07年度の1兆円強を維持できず「全国的には赤字構造がさらに深刻化」しているという。
 このため09年度は、△引き続きコープ商品の品質保証体系再構築など商品に関する品質保証・商品管理・リスクコミュニケーションの充実に取り組み足元を固める年△経済・くらし・事業経営の危機認識のものとで、組合員の期待に応えて、同時に生協自身の事業・経営全般の構造改革に取り組む年△第11次中計や長期新ビジョンを検討する年、08年と同様足元を固める年、と位置づけた。

◆低価格はコープ商品の基本的な価値

 くらしの危機と事業経営の危機を打開するための施策を検討する「事業構造基本問題検討小委員会」の中間報告も報告された。ここでは05年に策定された「コープ商品政策」についても見直しがされたが、コープ商品の3つの基本的な価値「安全性の確保」「品質の確かさ」「低価格の実現」については変更しないことが確認された。
 「低価格の実現」については「低価格商品の開発が事故を引き起こす背景にある」、「コープ商品の価値としては低価格ではなく、適正価格を志向すべき」との意見が数多く出されたが、「圧倒的な安さという意味の低価格商品は配置されていない」「低価格だから事故の背景になるとは考えていない」「低価格を求める層が多い」ことなどから変更なしとなった。
 会場ではこの3つの基本的な価値では「量販店と同じで生協らしさがない」という意見や、「商品事故や事業論ばかりで、この危機に協同組合としてどう立ち向かうのかという視点がたりないのでは」という意見を漏らす人が少なからずいたのが印象的だった。

(2009.01.19)