農政・農協ニュース

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「かえよう!女性参画で」

−第54回JA全国女性大会(1/20〜21)

 「JA女性協は女性の運営参画、地産地消の推進、JA女性大学の開講などをスローガンに1月20〜21 日、全国から450人の女性リーダーを集めてJA全国女性大会を開いた。初日にはJA男女共同参画優良表彰、フレッシュミズ全国の主張コンクールなどの表彰式と福井県立大学の北川太一教授による基調講演、2日めにはパネルディスカッションとタレントのヨネスケ氏による講演会を行い、「農林水産業の振興」「農山漁村(ふるさと)づくり」「男女共同参画社会の形成」などを目指す大会宣言を採択した。

◆組合員になることで意識が変わる

    パネルディスカッションは「女性の元気でいきいきJA」がテーマ。北川教授をコーディネーターに、JAならけんの杉本義衛理事長と壷井和子女性部長、JA三次(広島県)の村上光雄組合長と酒井久子女性部長の4人が女性の経営参画や、組合員増加について話し合った。
    JAならけんは女性の組合員加入促進運動を展開し女性部員を増やした。それにともなって、これまで4人ほどだった女性総代人数をいっきに70人にまで増加した。杉本理事長は「組合員の加入促進には一般への宣伝活動が必要。地域の人にJAを知ってもらうことが重要」だという。JAならけんでは多くのイベントや大会などの多くは一般公開され一般市民の参加者も公募し、地域を巻き込んだJA活動をしている。
JA三次は19年度で1万4000人の正組合員のうち女性は5600人と4割以上だ。村上組合長は「女性がJA経営に携わって何がいけないのか。家庭でも女性の力の方が上」などと話し、女性の経営参画をより推進するようにと提言。
    女性からの視点として、壷井さんは「農協は本当に保守的で、女性の立場はやはり弱い。もっと女性部員を増やして力をつけたい」と目標を述べた一方、酒井さんは「組合員になったら何かいいことがあるんですか、などとメリットを求めすぎる女性が多い。厳しい時代なんだから、目に見えるようなメリットはとくになくとも、組合員になることで意識が変わり、JA活動や地域が活性化する」と、女性への苦言も交えた。

JA女性の歌「明日 輝くために」にあわせてJA共済連のレインボー体操を踊る参加者たち パネルディスカッションでは会場からも多くの質問や意見が出た。(左から)北川教授、杉本理事長、壷井さん、村上組合長、酒井さん

JA女性の歌「明日 輝くために」に
あわせて
JA共済連のレインボー体操を踊る
参加者たち

パネルディスカッションでは会場からも
多くの質問や意見が出た。
(左から)北川教授、杉本理事長、
壷井さん、村上組合長、酒井さん

◆「日本の食事は世界最高。もっと自信を持って」
落語家・ヨネスケさんが講演

    しゃもじを片手に食時の家庭をアポなしで訪問する「突撃!隣の晩ごはん」の落語家・ヨネスケ氏が講演。同コーナーのスタートから25年。全国で5000軒の晩ごはんを取材したという。
    日本人は米を食べなくなったというが「5000軒訪ねて夕食にご飯を食べていなかった家はたったの3軒。米を食べなくなったというのは間違い。でも、おかずが多くご飯の量は少なくなったのでは」。
    ただ、魚にしても野菜にしても「生(刺身)、煮る、焼く、蒸す、揚げる」などたくさんの料理法があり、「出汁」などの味わいも大切にする日本の食事は「世界最高の料理。お母さんたちはもっと自信を持っていい」と訴えた。
    また、「粋」とは「88の手間がかかる米づくりの次に来る89番目のこと」と解説。食が満ち足りたら「その次は文化、というのが“粋”ということなんです」。書道、お茶、生け花、着物などなど日本文化を子や孫の世代に伝えることも大切にしてほしいと呼びかけていた。

    平成20年8月31日時点で、全国のJA女性理事の人数は614人(理事502人、経営管理委員75人、幹事37人)となり、前年比で76人増えた。昨年の第53回大会で採択した「JA女性エコライフ宣言」に従い、15万人の登録を目指しているチーム・マイナス6%「私のチャレンジ宣言」は達成率43%の6万4000人となった。
    大会では平成20年度JA男女共同参画優良表彰受賞JAを表彰。農林水産大臣賞には、和歌山県のJA紀の里が選ばれた。女性理事6人で、女性総代数も全総代の3割となる145人いて、毎年女性の組合員数を増やしている。 全受賞JAは次の通り。
【農林水産大臣賞】JA紀の里(和歌山県)
【全国農業協同組合中央会会長賞】JA佐久浅間(長野県)
【JA全国女性組織協議会会長賞】▽JA東美濃(岐阜県)▽JA静岡市(静岡県)▽JA石見銀山(島根県)

(2009.01.27)