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生産者の経営と所得安定を最重要課題

−21年度畜産・酪農対策

 JA全中は2月5日の理事会で21年度畜産・酪農対策に関する要請を決め同日、近藤農水副大臣に要請書を渡した。  1月から配合飼料価格はトンあたり1万2000円引き下げられたものの、飼料価格高騰前にくらべてまだトンあたり1万3000円高い水準にある。さらに、景気の悪化で畜産物の需要と価格は低下しており、経営を圧迫している。牛肉の価格は(黒毛和種雄A−4)、18年、19年12月はキロ2300円近くだったが、昨年同時期では2000円を割り込むという事態になっている。  こうしたことから21年度の畜産・酪農対策では極めて危機的な状況にあることをふまえ、生産者の経営と所得...

 JA全中は2月5日の理事会で21年度畜産・酪農対策に関する要請を決め同日、近藤農水副大臣に要請書を渡した。
 1月から配合飼料価格はトンあたり1万2000円引き下げられたものの、飼料価格高騰前にくらべてまだトンあたり1万3000円高い水準にある。さらに、景気の悪化で畜産物の需要と価格は低下しており、経営を圧迫している。牛肉の価格は(黒毛和種雄A−4)、18年、19年12月はキロ2300円近くだったが、昨年同時期では2000円を割り込むという事態になっている。
 こうしたことから21年度の畜産・酪農対策では極めて危機的な状況にあることをふまえ、生産者の経営と所得の安定を確保することを運動の最重要課題とした。
 具体的な要請事項として肉用牛対策では、家族労働費の8割を補てんするマルキン事業と、物財費割れの6割を国が補てんする緊急対策(補完マルキン事業)について実態をより適切に反映した算定とするとともに、補完マルキンでは再生産可能となる対策を講じることなどのほか、子牛経営安定対策でも子牛価格下落に対応した再生産確保策を求める。
 酪農対策では、加工原料乳生産者補給金単価は、再生産確保と酪農経営安定の観点から、kgあたり11.85円の現行価格の維持、限度数量の現行水準を基本とした決定などを要請している。また、チーズ、生クリーム、発酵乳向け生乳の供給強化のための十分な予算確保も求めている。
 自給飼料が確保しにくい都府県対策では、産次数向上促進や泌乳量向上などの生産向上支援、乳価引き上げによる需要減の懸念に対する消費拡大策などを求めている。
 養豚対策でも豚肉の安定価格の現行価格維持や、相場低迷に対応した調整保管の早期実施などを求める。また、今回は鶏卵価格差補てん基準価格についても、「現行価格を基本に適切に決定すること」を盛り込んでいる。
 そのほか飼料増産対策、畜産環境対策、リース事業への資金対策、消費拡大策がポイントとなる。
 21年度畜産・酪農対策は3月5日にも決定される見込みで、JAグループは2月27日に全国代表者集会を予定。特別運動を展開する。

(2009.02.10)